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京七小説

謁見が終わりリサの着替えを手伝いながら七緒は切り出した。

「先ほどのお話ですが。本当でしょうか」

「ン」

「あの男が海賊かもしれないということ」

「正真正銘の海賊や。献上品のほとんどが略奪品やろな」

七緒は眼を見開いた。

「では、通報しなくてはなりません。
先日は抗議に来た外国大使の方におっしゃっていたではありませんか。
海賊は見つけ次第、軍隊をだしてとりしまると。なのに、どうして」

詰め寄られて、リサは楽しげに笑った。

「うちのところの船には、敵国に限り略奪を許可するというてある」

「えっ」

「それに、もとはといえば向こうから仕掛けて来おったんで。
今んところ6割くらいうちが勝っとるから文句付けとるんや」

「そんな」

「ええか、七緒。政治言うのは奇麗事やない。
うちは強国に囲まれとるんや。まともにぶつかったらつぶされる。
まずはうちらが力をつけることやけど。相手の力を削っとくことも大事や。
こまめにいやがらせをしておかんとな」

初めて知る「大人の事情」に七緒は言葉もない。
リサは構わず話し続けた。


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