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京七小説

どうしたわけか、次の月の書庫からの帰り道、七緒はそこにいました。
それからも、七緒は図書館に来るたびに、この場所によるようになりました。
理由はわかりません。

たぶんとっても居心地がいいからだと七緒は思います。
眺めがいいし、寝転がって本を読んでも怒られませんし、儀式や習字の勉強が大変だと愚痴をこぼしても、ゆるくたしなめられるだけで、にこにこしながら聞いてくれます。

 男の人の名は京楽春水といいました。
 京楽さんに、微笑まれると、なんだかふわふわした温かい気持ちが心の中に広がっていきます。なぜだかよくわかりません。




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