京七小説
6
どうしたわけか、次の月の書庫からの帰り道、七緒はそこにいました。
それからも、七緒は図書館に来るたびに、この場所によるようになりました。
理由はわかりません。
たぶんとっても居心地がいいからだと七緒は思います。
眺めがいいし、寝転がって本を読んでも怒られませんし、儀式や習字の勉強が大変だと愚痴をこぼしても、ゆるくたしなめられるだけで、にこにこしながら聞いてくれます。
男の人の名は京楽春水といいました。
京楽さんに、微笑まれると、なんだかふわふわした温かい気持ちが心の中に広がっていきます。なぜだかよくわかりません。
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