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京七小説

幸い京楽は虚退治に出かけているようで、リサはやすやすと七緒のもとにたどり着きました。
「七緒」
「お母様」
二人は久しぶりの再会を喜び合いました。

「さ、こんなとこ、さっさと出ていこ」
「だめなんです、お母様、私はここに残らないと」
七緒の指し示す机の上には、山のような書類が載っています。
「この書類をほっておいたら、死者がみんなホロウになってしまいます。これを片づけなくては」
「虚がふえて困るのは京楽や。あんたやないやろ」
「でも……仕事をほっておけないし」
「だから京楽だけが困るんであって……」
「でも」
いくらせかしても、七緒は仕事を理由に腰を上げようとしません。
リサは嫌な予感がしました。
そして、今まで思いもしなかった質問をしました。

「もしかして、あんた京楽のこと好きなんか」
娘の顔が見る見るうちに紅に染まっていきます。
リサさんはもう一度確認しました
「あんたをさらった男やで」
「私は望んでここに来たんです。仕事を手伝ってほしいって」
リサはがっくりと肩を落としました。
「それならええんや。嫌になったら、いつでも帰っておいで」

京楽と七緒の婚約が認められ、結婚式が行われたのは、それから間もなくのことでした。

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あきゅろす。
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