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京七小説

こんなことなら早めに誰かと婚約させておけばよかった。
リサはため息をつきました。
思えば、今までいくつも見合い話が持ち込まれていました。
農業系とか樹木系とか天候系とか、そういうさわやかな若い神様とのお話を
まだ早いと断っていたことが悔やまれます。
婚約さえしておけば、よりによって土の中のオヤジに嫁がせるはめにはならなかったのに。

嘆いてばかりもいられません。りさはさまざまな手を打ちました。
まずは雑誌の編集社に行き、訂正記事を書かせました。
そして地底に乗り込み京楽に娘を返せと、一騎打ちを挑んでも見ました。
が、七緒直筆の「心配しないでください」という手紙が来たきり。
その後もゼウス=山本に訴えたり、46室会議に申し立てたりしたのですが、らちが明きません。


困ったことはそれだけではありませんでした。
几帳面な七緒さんは、ずぼらなリサさんに代わって、デスクワークを引き受けていました。
優秀な娘のおかげで、リサさんはおしべとめしべについて毎日萌え萌えしているだけで
地上のことがうまくいっていたのです。

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