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京七小説

農業の神デメテル=リサは怒っていました。
娘のペルセフォネ=七緒が黄泉の王ハデス=京楽にさらわれてしまったのです。
しかも、そのことをゴシップ雑誌にすっぱ抜かれてしまいました。
「長い婚約期間ののちゴールインか」
という嘘八百にリサの怒りは増すばかりです。

たしかに、やつは、リサのうちをしげしげと訪れてました。
七緒も幼いころから、肩車をせがんだり、一緒に本を読んだりとなついていました。
でも、京楽のめあてはリサの宮殿で働いている若い女性で、七緒ではなかったはず。
百歩譲って七緒が京楽を好きだと言ったとしても、
それは親切なオジサンへの好意であって、けして夫としての愛ではないはず。

たしかに「僕の七緒ちゃん」だの「フィアンセ」だのと周りに紹介してみたりするのを止めませんでした。
でも、それは七緒はまだまだ子供だし、京楽はロリコンではないと言う理由だけで。
それが、いつの間にか婚約期間だったように言われてはたまったものではありません。

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