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京七小説
ある日の八番隊 2
この二人そういう仲だったのか。
それより自分はこれからどうするべきか。檜佐木は悩んだ。中の二人は自分がここにいることに気が付いていない。帰ろうと思えば帰れる。が、しかし、締め切りは過ぎている。ふらふら出歩きがちな京楽隊長が確実にいるとわかっているのに見逃すのはもったいない。
でも……。檜佐木の迷いをよそに中では何事かが進行中である。
「あっ」
伊勢副隊長の短い叫びが聞こえる。
「そんなにギュウッと目を閉じちゃだめだって。力を抜いて」
「でも、やっぱり……怖いです」
「大丈夫。ボクだけを見てくれればいいんだよ」
くっそ。我ながら、間がわりいな。だが、全部終わるまで待ってたら時間がない。聞き耳を立てていると思われるのもしゃくである。
部屋から少し離れると、ことさら大きな足音を立てて廊下を歩き、戸を叩いた。
 「すんません。檜佐木でーす。京楽隊長はいらっしゃいますか」
 予想に反してすぐに応えがあった。
「ああ入っていいよ」
「本当っすか」
 ちゃんと服着てるんだろうな。おそろおそる扉を開けた檜佐木の前に不思議な光景が広がっていた。


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あきゅろす。
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