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京七小説

七緒は春水を嫌いになろうとしました。
肩くらいだった髪も腰まで伸ばし、いつも無精ひげです。
着物の着付けもだらしないし。
書類仕事が嫌いで、ほとんどが七緒にまかせっきりだし。
やれば何でもできる人なのに気が向かないとサボってばかりだし。
お小言めいたことを言っても、へらへら笑って受け流されてしまうし。

もっと誠実で優しい人を好きになろう。
七緒はほかの誰かを探そうとしましたが
この試みはうまくいきませんでした。
気がつくと春水の姿を探し、
大勢の中からその声を聞き分けています。

苦しい。でも恋しい。

春水は、呑気なもので事あるごとに口説いては、
鉢を引っ張ってきます。

「七緒ちゃん。最近つれないなあ」
「僕に惚れてもいいんだよ」

本気じゃないくせに。
そう思いつつも、たわいなくたわむれるのは楽しくて、
こんな日が続いてほしいと七緒は願うのでした。


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あきゅろす。
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