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京七小説

そして数年立ちました。
別の部署に異動となったリサの後を継いで、七緒は春水の書記を勤めるまでになりました。

ときおり、思い出したように春水は七緒の鉢をつかんでゆすります。
「これ、ちっともとれないねえ」
やっぱりはちは頭にぴったりくっついていて、離れません。


ある日、七緒はリサに相談しました。
その人を見ると、ドキドキして、話しかけられたりすると胸が苦しくて
いつも一緒にいたいと思うんですが、これは恋でしょうか。
リサは微笑んで答えました。
「そりゃ、恋やな。うれしいなあ、もうすぐ鉢が取れるで。相手は誰や」
七緒には答えられませんでした。

恋の相手は、春水でした。
成長にしたがって離れから、リサの住む女子寮に引っ越したのですが、
広い屋敷のこと、仕事のとき以外にほとんど顔を見ることができなくなって初めて
この気持ちに気がついたのです。
でも、春水がいくら鉢に触っても、一向に取れる気配はありませんでした。


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