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京七小説
ある日の八番隊 1
檜佐木は八番隊の隊舎に急いでいた。静霊廷通信の締切はもう過ぎているのに、京楽隊長の「バラ色の小径」がまだ提出されていない。
こんなことにならないように、締切はわざと一週間程早めに伝えておいたのだが、「筆が進まなくてねえ。三日くらい経ったら来てみてよ」と、逃げられている。
今日はいてくれるといいんだが。
隊員の話では、たしかに執務室にいるらしい。よっしゃ、つかまえた。
執務室前で檜佐木はガッツポーズをした。
 勇んでふすまを開こうとした檜佐木の耳に、中の会話が聞こえてきた。
「あれ、七緒ちゃん、もしかして緊張してるの?」
「まあ、すこし」
「大丈夫だってば。僕に任せてくれればいいんだって。はい、眼鏡はずして」
 おっさん。いったい何を始める気だ。
檜佐木の脳裏に、R指定な光景がよぎった。もしかして京楽隊長は自分が書いたエロ……もとい恋愛小説さながらのことを、いま、まさに実践中なのでは……。


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