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poison
*カカスレナル







「クソっ…オレとした事が…」


悪態をついた所で現状が変わる訳じゃない。


分かってる。


分かってはいるが――



この先の事を考えるとウンザリだった。







【poison】







「―ナルト!?」



ちょうど考えてた所に、頭痛の種が現れたら更に気分も降下するってもんだ。


「…カカシ」

「どうしたの!?凄い汗…
それに、顔色も悪いし
任務で何かあったの?」

「大した事はない」

「でも…」


鋭く睨めばそれ以上の言葉は出てこなかったが、心配そうな視線は変わらない。


あー…これだ。
これがウザイ。


「すぐ解毒した、まだ少し残ってるけどすぐに九尾の力で治る」

「解毒って…敵の毒にやられたの?珍しいね。大丈夫?」

「だから平気だって言ってんだろ」

「うん。でも大事を取って後はオレが送って行くよ」

「はぁ!?ふざけろっ。それに里まで後少し」

「はいはいはい」


カカシのウザったい心配に文句を付ければ、慣れた手付きと返事に掻き消され抱き抱えられていた。


「取り敢えず、安静にしててね?」

「っ〜〜!」


これだ。


何故か、いつも気付けばコイツのペース。


「はぁ…頭イテー」

「えっ!?本当に!?今、急いで里に戻るからね」

「お前のせいだよっ」


頭痛の種に、八つ当たり気味に殴り付けておく。

自分が思った程力が出なかったのが惜しい。

しかし、今両手が塞がって避ける術がないカカシの顔にまともに入り、ぐえっとか情けない声を上げていたので、ほんの少しだけ気が晴れた。


「ナルト酷い…」

「ふんっ」

「ナルトが冷たい…」


今にも泣きそうな声でブツブツ言っているが無視。


既に慣れている。


それがウンザリなのだ。






それはまるで、




じわじわと拡がって




自分の中を侵食していく






毒のよう―――















(120519)
既に手遅れになっている


あきゅろす。
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