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感謝のきもち
一緒にいるだけで(1)
 

事の始まりは、類の一言にあった。

『庶民派デート、俺にも教えて?』


一緒にいるだけで



その時のつくしの衝撃は言葉には出来ないほどのものだった。何がどうなって、寧ろ何が好きでわざわざ庶民派デートになるというのだろうか。
一昔前になるが、デートの経験はある。但しあの頃は逆に司を意識していた為、つくしにとってはどちらかと言えば苦い思い出の部類に入る。類も、あの頃は静のことがあってのデートだったのだから互いに良いデートだったとは決して言えない。

つくしは速攻で友人の優紀に相談した。するとデート当日待ち合わせ前、来るように言われてしまい、今に至る。


「ちょ、優紀〜…」
『ね、つくし、これは!?』
「あたしに似合わないでしょー!!」
『んー』
「優紀、これ…借りていい?」
『もちろん!』

最初の気分はハッキリ言えば、着せかえ人形状態。つくしの今現在の住まいに、可愛らしいデートに着るような服はまずない。そこで頼れる優紀に服を借りたり、とデートに備えて色々しているらしい。

スカートにパンプス、春色スタイルで髪は普段と違って軽くウェーブをかけた。


緊張で口から心臓が出そう、とはどうやらこのことらしい。




続く

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あきゅろす。
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