感謝のきもち 宵闇花火-1- サヨナラの前に 君に伝えたいこと 宵闇花火 -1- 日本で久々に集まったF4、加えてつくしと優紀。今日はつくしと司がアメリカへ、類はフランスへ帰ってしまう日だ。 正直、類とつくしはもやもやしている。 このまま帰ってはいけないような、否、帰りたくないような、そんな状態である。 しかしつくしには恋人である司がいるのだから、絶対にあってはいけない感情。お陰で2人の間には何ともいえない空気が漂っていた。その空気を察しているのは鈍感な司以外の3人。 「つくし、また暫く向こうなんだよね」 「うん、でも電話だってメールだってするし手紙も書くよ?」 「勿論あたしもだよー」 「おいおい、もうしんみりモードかよ」 「いいじゃん、あたし達の勝手」 「今日はどう過ごすの?」 「とりあえずまだ未定かな」 やはり女子同士、別れが寂しいのだ。そこが男との違いといってもいい。日本滞在の最終日、確かに全員予定はなかった。合計一週間の滞在、ずっと6人は一緒だった。今日くらい別行動をとるか。ふと視線を感じて其の方向をちらり見てみると、優しい顔でつくしを見つめる類。しまった、と思うには遅く、一瞬にして熱が顔に集まる。 (バレて、ない、よね…?) 「司、いいのかよ」 「何が」 「最終日ぐらい牧野と2人っきりでいたいんじゃねぇの?」 「牧野……お前はどうしたい?」 「へっ?」 いつもなら俺様で自己中心的に勝手に決めてしまう司が、一体どうしたことか。もしや気付かれたのか。変に緊張してしまう。 続く [戻る] |