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お隣さん




――PPPP…PPPP…―






『んー…』






――PPPP…PP バコッ!(目覚ましを止める音)






『…………うっさい』






ん?






『………朝?』






ってことは…






『朝!やったーー!!
じゃあ今のは夢だぁあぁあぁーーーー!!!!






だよね!

私が男子と隣になるわけないよね!!




フ フ フ !






『はぁー!
なんて良い朝なのかしら!!』






窓の外がこんなに綺麗にみえるなんて!
ほら、太陽もあんなに輝いて私を祝福してるわ!!(現金)






『んふふ!
学校に行く支度しよ〜♪』






今日は絶対良い日になるはず!






***






『えっとー…私の席は♪』






…………………ん?


真ん中の一番後ろの私の特等席…
誰か座ってるんですけど?




んー?






「おはよ和泉!」

『あ、おはよう友達A』

「ははは、なめてんのかい?」

『まさか!』






汚くてできませんっ!




…………冗談です。


ははは、この子の目(殺意で)恐ーい






『でも、私本当に名前知らないんだけど…』

「そりゃあそうよ!私教えてないもの」

『えー』






何そのひっかけ
ひっかけたくせに私にあんなに殺意抱いてたんですか?






「私の名前は紺野千雨
改めてよろしくね和泉!」

『うん!
よろしくね千雨!!』






うん。今更だね!






「ククク…
初日あんなに仲良さそうじゃったのに今頃挨拶しとるんか?」

『…………………』






はい、出た男ーー
何コイツ!神出鬼没?!




だけど、男が嫌いなのでそんなこと言えません。






「ん?
なんじゃシカトか?」

『……………………』

「仁王君!!
こんな女良いから私とお話しましょ!」

『ぐばべぇ!?』






私が沈黙していると、千雨がかなり勢いよく私を押した…


かなり痛い…
コイツ相当力入れたな!!




しかも“こんな女”って…


ふっ…

女の友情なんてそんなもんですよ(手のひらを水平にして肩まで上げるポーズ)






「んー…
残念やけど、俺これから出かけないと行けないからのう…
また今度な紺野さん」

「は、はい!!」

『………………』






にお?がそう言うと千雨は顔を真っ赤に染め、張本人のにおは屋上の方へ歩いていった。




…………堂々とサボりッスか?






「はぁ〜…
カッコいいわね〜仁王君…」

『そう…?』






イマイチ格好いいのかが分からないなぁ…
だって私の地方の男子なんて鼻水垂らして蛙捕まえてたよ?(関係ない)


だから、こうクール系はイマイチ分からないんだよねー…






「なによ、その態度?
せーっかく男子が来たから庇ってあげたのに?」

『!!』






そ、そうだったんだ!

てっきり私はにおだから話したかっただけなんだとばかり…




うわぁーん!千雨良い人だぁーー!!
さっきは“女の友情なんてそんなもん”って言ってごめんなさいーーーー!!!!!






『千雨…!』

「なーんて言うのは嘘で、本当は仁王君と話したかっただけなんだけどね!」

『…………………』






感動返せーーーー!!!!






「まぁ、冗談はそのへんにして…」

『(どこからが冗談か分からない)』

「ほら!
そろそろ席に着かないと先生が来ちゃうわよ!!」

『うそ!
もうそんな時間?!』






急いで座らなくちゃ!




でも…

んー…?
やっぱり私の席に人座ってる…






『ねぇ…千雨?』

「ん?」

『私の席、どこ?』

「もう忘れたの!?
昨日席替えしたばっかりじゃない!!」






んふふ…ん?
今千雨なんて言った?






「ほら!
窓側の後ろから2番目の席!!
たく…しかも丸井君の隣じゃない、ズルいわね……‥」






千雨に言われて自分の席を見、隣をみると今日夢でみた男…






『なんで…!?』

「なんでって…
だから昨日席替えした…あ、そっか!
和泉、昨日席替え中に倒れたんだっけ?」

『はぃ!?』

「席についた瞬間“バターン”って倒れたから途中で帰ったのよ
だから記憶ないんじゃない?」






嘘だぁーーーー!!!!


あれは夢じゃないの?!
じゃあ私はこれからイケメンの隣!!?


いーやーだーー!!!!






『千雨…!
私嫌だ!無理!耐えられない!

知らないわよ
それより、丸井君の隣っていうだけでファンの子に目つけられるんだから、くれぐれもファンの子の前で“嫌だ!”なんて言っちゃダメよ!!」

『…………言ったら?』

「虐められるわね」

『!!?』






だから嫌なんだよイケメン!
面倒くさいーー!!!!






「ほら!
先生が来るからそろそろ席につきなさい!!」

『ぢーざーめ゙ーー…』

「泣かない!
そして私はぢざめ゙じゃないから!!

頑張りなさいよ!!」

『あ!』






そう一言言うと千雨はスタスタと自分の席に行ってしまった…



裏切り者ーー!!






『と、とりあえず席に座らなくちゃ…!』






大丈夫…大丈夫……

そんな話すことなんてめったにないから…!


うん…




ひとつ深呼吸をして、私は自分の席に行き座った…‥






『…………ふぅ』






一先ずセー「なぁ?」






フじゃなかった。
もう話しかけられたし!!






『な、なに?』

「さっき何話してたんだよ?」

『へ?なにが?』

「なんかダチと“嫌だぁあぁーー”つって話してたじゃん」






聞いてたのか






『え、え〜と……』

「何話してたんだよ?
卑猥な内容?」

『ひ!?』






卑猥って!何コイツ!!
顔は可愛い系なのに中はアッチ系!!?






『ち、違うよ!
そんな話じゃないから!!』

「んじゃ何?」

『えっと…バナナって美味しいよねって話!!』

「バナナ?男の?」






違うーーーー!!!!
なんで全てソッチにいくのーー!!?






『(//□//)…………』(言葉も出ない)

「お?もしかして図星だろぃ!」

『ち、違う!!』

「別に隠さなくても良いんだぜぃ?
ちょっと意外だったけど、俺もそう言う話大好きだしな!」






そう言うとソイツの手は…




あれれ〜?私の胸の上?






「ま!そう言う事で仲良くしようぜぃ?」

『………………い』

「ん?」

『変態ーーーー!!!!』

「!!?」






私はそう一言いアイツの大事の所を思いっきり蹴り上げて教室から逃げ出した。


後ろから先生の私を呼び止める声が聞こえたけれど…




そんなの知るかーーーー!!!!










お隣さん
(へーんーたーいー!!)






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