カレー
『この試合はニモの勝ち…っと』
あれから私は自分の部屋についてあれこれ考える暇もなく王子様が私を迎えに来てくれたので、私は集合場所に集まり早速此処に着いてから初めての部活を始めた。
本日は一先ず試合をし、みんなそれぞれに合う体力作りの内容を決めるらしい。
まぁ、それは置いといて…
『あ、ご飯作らなきゃ…』
気がつけば5時近く…
夕飯の時間は6時だからちょっと急がなきゃ!
今日と明日の朝分の食材はあるけど、ご飯とか炊飯器が無いから鍋で炊かないといけないし…
はぁー…
鍋でご飯なんて地元以来だよ…。
『今日は…妥当にカレーで良いかな?』
にしても私ひとりでに料理ってちょっと無謀だよね?
一人暮らしをしているとか言っても作れる料理なんて限られてるし…
あと作れるのはちゃんぽん鍋とか…?
……料理本持ってきといて良かった
『一先ず…カレー作るか』
先ずはご飯を炊こう。
私を含めて9人だけど+5人分は炊いておいたほうが良いよね?
だって育ち盛りな大の男子だし…
何よりガム男の食欲が凄そう
***
『うん!だいたい良いかな?』
ご飯も無事炊き終え今は蒸し中。
カレーも後少し煮れば完成。
食器も洗っておいたし!
あとの悩みは…
『部屋、だよね…』
やっぱりあの部屋で一人は怖いよ…
私が思いついた作戦は3つ
A:我慢できず脱走する
B:他の人達の部屋に行く
C:我慢する
だけどAは無理だよね…
王子様の信頼を失いそうだし変態三人組の後々恐い…
Cはそれが嫌だからこんな作戦考えているわけだし…
だとしたら一番妥当なのはB…?
だけど変態三人組の部屋は絶対無理だし、王子様の部屋も恐れ多くて無理だし、柳さんと真田さんも無理だし…
そしたら必然的に残るのは柳生さん&ジャッカルさんの部屋…?
――ピピピピピ―
『!!』
鳴ったのはカレーが出来たことを知らせるキッチンタイマーの音。
そして私は急いでタイマーを切り、カレーの火を止めた
『――…うん!そうしよう!!』
柳生さんとジャッカルさんなら優しいし、今まで変な事をされたことないし!
「おーい和泉!晩飯出来たかー!!」
『はいはーい、出来ましたよ!』
よしっ!そうとなればご飯を食べたら早速作戦に取りかかりますか!!
『美味しい?』
「普通ー」
「食えんことはないの」
「これヨーグルト入れればもう少しまろやかになるんじゃないんスか?」
『(メ ̄u ̄)(怒)』
せっかく作ってあげたのに!
なら自分たちで作れや!!(怒)
「俺は好きだよ、この味付け」
「私も、私の家のカレーと味付けが似ていますし」
「俺も好きだぜ?結構辛いし」
『部長!柳生さん!ジャッカルさん!』(ジーン)
うー…やっぱり優しいよ!(涙目)
***
食事も終わり私が今行る場所は柳生さんとジャッカルさんの部屋の前…
『…………』
――コンコン…―
「はい?あ、和泉さん?」
『こ、こんばんは…』
「どうしたんですか?
そんなに荷物を持って…?」
『実は柳生さんにお願いが…』
「?」
それから私は部屋に入れてもらい、此処に来た理由を話した。
「――…ですが」
『お願いしますっ!
柳生さんとジャッカルさんが頼りなんです!!』
「仕方ねぇんじゃね柳生?」
「そうですね…
分かりました、確かに女性1人では心細いですよね」
『本当ですか?!』
わぁー!良かった!!
やっぱり柳生さんとジャッカルさんに頼んで良かったよ!
『それじゃあ私自分の部屋から布団持ってきますね!』
「あ、待って下さい!!
私も手伝います、女性1人で布団を運ぶのはキツいですし…」
「俺も手伝うぜ?」
『……!!
あ、ありがとうご「柳生先輩!ジャッカル先輩!」
私のお礼を言う声は、勢いよく開いた扉の音と大きな声によって遮られた。
「和泉先輩が居なくなったんッス!!」
「たく和泉の野郎…
せっかくこのブン太様が相手してやろうと思ったのによ」
「俗に言う夜這いじゃの
まぁ、動物は危機感を感じるのが早いというからのう」
「先輩方!知りませ…
…………あ」
「「…………あ」」
『…………』
ややこしい奴らに見つかってしまった
選択肢
(うわぁ、三人組の顔ヤバい)
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