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席替え




「おはよー和泉!」

『うん、おはよう!!』






新しい学年になってから一週間がたった今…


あぁ…なんて平和なんだろ。




ぽかぽかと注ぎ込む太陽…
小鳥の囀り…


ふふふ…




し あ わ せ 。






「おーい?」

『(´∀`)ホワーン』

「おーい、田舎ものー?」

『んだとゴラァ!!』






誰が田舎ものじゃい!!






『私は田舎ものじゃないってば!
ちょーと周りに畑があって牛と馬がいるだけだもん!!』

「分かった分かった田舎もの」

『うぎゃー!
それにコンビニもあるもん!!』

「それ普通」






なんだよ普通って!
言っておくけどコンビニなんて1年前に出来たばっかりなんだからね!!(威張ることではない)






『それに別に北海道は田舎じゃないってば!
私が住んでる場所が田舎だっただけ!!』

「認めたね」






ギャアァーーーー!!!!
墓穴ほった!!






『…………で、なにさ…』

「いじけないの
今から席替えだって」

『えぇーー!?』






席替え?!


嫌だぁーー!!
せっかく真ん中の1番後ろの席で両隣が居ないという特等席だったのに!
(先生には結構あてられたけど…)






「あんたやっぱり聞いてなかったのね…」

『うん…って嫌だ嫌だ!!
男子が隣になったらどうしよう!』

「諦めなさい」

『嫌あぁーーーー!!!!』






だって男子だよ?!
女子とは違うんだよ?!


女子に無いものがついてるんだよおぉーー!!!!






「和泉…
前の学校だって男子居たでしょ?」

『い、いたけど!
みんな小学校の頃から一緒だし…
優しい人も沢山いたし…
不細工も沢山いたから…』

「あんた失礼ね」

『人数だってこんなに多く無かったし…!』

「まぁ、確かにこの学校は多い方だとは思うけど…
和泉の学校は男子何人だったの?」

『んーと…何人だろう?』

「分からないなら結構いたんじゃないの?」

『いや、多くは無いんだけど…
イマイチ記憶に無いの…‥』

「…………は?」






覚えてる男子は仲が良かった幼なじみの2人だけ…

まぁ、一言で言えばその男子と女子以外記憶にない。






『あ!
でも全校生徒の人数は覚えてるよ!!』

「何人?」

『18人』

「本当に田舎ね」






失礼な!
小学校の時はもっと少なかったんだから!!






「じゃあ女子の人数は?」

『7人』

「じゃあ男子の人数は11人ね」

『なるほど!頭良いー!!』

「あんたが馬鹿なだけ」

『失礼な』






と友達と会話していると、とうとうくじが私達まで回ってきてしまった…






『うわぁー…
き、緊張してきた!』

「良いから早く引きなさいよ」

『う、うん…』






そして私は、くじを引く前に両手を合わせて勢いよく上下にこすりあわせた。






「………和泉?
あんた何やってんのよ」

『何って!
くじ引く前にやるおまじない!!
手をこすって、手が熱い1分間の間にくじを引くと良いくじが引けるって言うじゃん!』

「初耳よ」

『えー?
あと、人差し指・中指・薬指の三本で引けば尚更グッ!』

「いや、聞いてないから」






と、友達と話していると横から“ククッ”と篭もるような笑い声が聞こえた…




………………ん?






「随分面白いこと言う奴じゃな」

『……………………』






イギャアァアァーーーー!!!!
男オォオォーーーー!!?






「ん?
どうしたんじゃ?」

「あ、仁王君////
き、気にしないで!
この子男子が苦手なだけだから!!////」






ちょ、あんたキャラ違うでしょ!
なんで顔赤くしてんのよ!!






「ほぉ…」

『…………(なんか悪寒が…)』

「ほら!
くじ引かなくて良いの?
1分たつわよ?」

『あぁ!引く引く!!』






そして私は黄金(?)の三本の指でくじを引いた…。






『えっと…“42番”か…』






……………………




え?


死に?






『……………………』






不吉すぎるくじ番号を片手に持ち、私は黒板に書いてある席順を確認した…






『窓側の…


後ろから2番目か…』






なんとも微妙な席だ。
どうせなら一番後ろにしてくれれば良いのに!




でも、隣の席の男子が1人だけで良かった…‥


2人だったら…うん、耐えられない。


そんなことを考えていると、クラスメートが新しい席に移動していることに気づき、私も急いで新しい席に移動した。






『(どうか隣の席がブ男…
または優しい人でありますように!!)』






イケメン以外なら本当に誰でも良いから!


どうかイケメン以外で!!




新しい自分の席に座りながら必死に祈り、覚悟を決め隣の席の人をみた…






『(……いざ!)』






そして、私の目に写ったのは…






「ん?
お前が隣の奴だな!
これからシクヨロ☆」







パチンと可愛らしくウィンクする…




イケメン…‥










席替え
(さよなら、私の至福)






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