乙女パワー
『あと三周でーす!』
マネージャーになって早くも一週間が経ちました。
最初は慣れない仕事や苦手な男子達に戸惑っていたけど…
慣れって恐いね。
とりあえず、男子テニス部の人達は大体平気になりました。
『終わりですー!
はい、皆さん水分補給してください』
「ありがとうございます」
「サンキューな」
「助かる」
「ありがとう和泉ちゃん」
『い、いえいえ!』
とか何とか言っている私ですが…
やっぱり少々慣れない点も一応ありますんですよ(?)
『えっと…はい真田さん』
「う、うむ…」
その一つは真田さん。
初対面で私の○○(言いたくないらしい)を見てから態度がよそよそしくて、未だに目をきちんと見られたことがない。
柳さんが言うに恥ずかしがっているだけだって言っていたけど、やっぱりちょっと寂しいかも…
「それにしても一週間でこの出来とは…なかなかやるな
家事とか得意な方なのか?」
『いや、そこまで得意って言う訳じゃ無いんですけど、一応一人暮らしをしてますしある程度は…』
「一人暮らしか…」
『ちょ、何メモってるんですか』
柳さんのすぐメモをする癖とか…
この前、下着の色をメモられた時は軽く怒りが沸きました。
「ふふふ…でも俺は家庭的な子は大好きだよ?」
『王子…幸村部長!ほ、本当ですか?!』
「うん(ニコッ)」
『(ま、眩しい…!)』
幸村部長の輝かしい笑顔とかもなかなか慣れない。
寧ろこんな神々しいものは一生慣れてはいけない気がする!!
「大丈夫ですか和泉さん?私も手伝いますよ」
「そうそう、そんなに働いてたらお前が倒れちまうぜ?」
『い、いえ!大丈夫ですよ!!
でも…ありがとうございます』
ジャッカルさんや柳生さんの優しさも…
今まで男性と関わろうとしなかった私にとって新鮮で…くすぐったい感じ。
とまぁ、ここら辺の慣れてないは別に序の口なんですが…
一番慣れないのは…あの三人組。
『はいニモ飲み物とタオ…って何やってるの!!?』
「何って…上脱いでるだけじゃけど?」
『だけじゃないって!(泣)
もう良い!はいガム男…ってぇえぇ!!』
「何だよ?」
『だ、だから何でも脱いでるの!!?』
「汗掻いたからに決まったからだろ」
『っー…////
もう!ガム男も後回し!!はい赤也…!?』
「どうしたんすか和泉先輩?」
『もー嫌ー!!(半泣き)』
そして私はその場にしゃがみ込み、両手で顔を隠して三人の上半身を見ないようにした。
そう!!
慣れない一番の理由はコイツら!!!!
毎日毎日何かしらセクハラをしてくるコイツら!
「何じゃ、お前さんこういう免疫も少ないんか」
『う、るさい…!////』
「だから俺が免疫つけてやるって!」
『いいですー!!』
「和泉先輩!俺の体拭いて下さいよー!」
『絶対嫌!(//皿//;)ノシ』
まだこれは良い方だけどね…
この前なんてさ……ふっ(遠い目)
言うならば貞操が守れて良かったです。
あの時は真面目にヤバかった、王子様も居なかったし…
「おい、お前達。和泉で遊ぶのは後にしろ
これからミーティングを始めるぞ」
「はいはい」
「分かったよ」
「ちぇ…」
ミーティング!!
良かった…助かったよ。
私で遊ぶと言う言葉がちょっと気になったけど。
これって遊びだったんですか!?
ごそごそと着替えが終わる音を確認してから私も顔から手をよけ、急いで部室に行きミーティングの大勢へと準備した。
王子様は私達の準備を終えたのを確認すると柳さんに言って、私達に何かの資料を渡し始めた。
「これは明日から行われる合宿の予定表だ」
と渡すさえに言っており……ん?
合宿?明日?ん?
『柳さん…?』
「何だ?」
『明日…合宿って?』
「言っている通りだ」
『私は参加…』
「するに決まってるだろう」
知らないよ!!
いつ決まってたの?!
しかも…明日!?
『き、聞いてなかったんですけど…』
「当たり前だ、初めて言ったからな」
『……えっと…皆さんこの話を聞くのは初めて…?』
「いや、お前だけだ」
ちょっと!!!!(怒)
部活入部して僅か一週間で早速ハブですか!
「ごめんね和泉ちゃん
俺がもっと早く教えてれば良かったのに…」
『い、いえ!王子…幸村部長は気にしないで下さい!!
私は大丈夫ですから!』
「…………ぶりっこ」(ボソッ)
――ゴスッ!!―
『ちょ、ガム男黙っててよ!
幸村王子様に変な印象つけないで』(ボソッ)
「おま!いてぇっつの!!
意外に力強いな!?」(ボソッ)
『乙女パワーだy「和泉ちゃん?」
『はい!』
「それじゃあ合宿でもよろしくね」
『はい!!』
乙女パワー
(やっぱりぶり…ゴボ!)
(だから、しー!!)
(馬鹿力じゃのう)
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