首輪
『………………』
目の前にあるのはドア…
自分のクラスに繋がる扉…。
うわー…
注目浴びたらどうしよう…。
なんてったって私、初日から授業サボっちゃったんですもの!!
『……すーはー…………よし!』
両手で自分の頬を叩き、意気込む。
いざ!我がクラス!!
――ガラッ―
あんなに緊張していたのに、別にクラスの人達は平然と友達と喋ったり、次の授業の支度をしていた。
まぁ、良かったんだけど…
それはそれで寂しいかなー…(我が儘な)
そのまま自分の席に座ろうと思い、再び歩き出すと…
――ボフッ―
『わっ!』
人と激突してしまった。
『あ、す、すみま…――』
そこまで言うと、私は絶句してしまった…。
理由は私がぶつかった人が…‥
「よう?」
にんまりと、少し黒めなオーラを放っている…
変態だった。
『あんたは…!
変態男!略して変男!!』
「何で略したんだよ
つか…お前」
『な、何よ…!』
「覚悟は出来てるんだろうな?」
『覚悟…?』
一体何の…?
そう聞こうとした瞬間…
――カチッ―
カチッ…?
「俺をキレさせた、か く ご」
先ほどとはまた違う笑みを出す変態。
周りを見ると、男子は憐れんだ目で私を見つめ、女子は少々羨ましそうな目もしているが、やはり憐れんだ目でこっちを見つめていた。
……………何?
「和泉」
『あ、千雨!』
ちょいちょいと千雨は自分の首を指していた。
…………首?
『………………』
そういえば…
さっきから首辺りで感じる違和感。
嫌な予感を感じながら、自分の首に目を落としてみると…
『な、何これ?!』
私の首には鍵穴式のピンク色の首輪がかかっていた。
「んんーー!!
と、とれない!!!!」
思いっきり引っ張ってみたがうんともすんともしない首輪…
『あ!そうだ!!』
急いで自分の席に戻り、筆箱の中に入っているハサミで首輪を切ってみる……が、
『き、切れない…』
いくら切ろうとしても全く効果は無く、寧ろ跡すら残らない始末…
半泣きの私の後ろからゆっくりと聞こえる足音…。
バッと後ろを振り向くと、変態…
『ちょ、これとってよ!!』
「無理」
『何でよ…』
「さっきも言っただろぃ?
お前は…
俺をキレさせたから」
『私が何を…――』
「息子…」
むす、こ?
「俺の大事な息子、思いっきり蹴りやがって…
再起しなくなったらどうしてくれるんだよ?」
それかい!!
って、息子って言い方止めてよ!なんか嫌だ!!(泣)
「だから…」
そう言いながら一歩ずつ私に近づき、クイッと私の首輪を微妙に上げる…。
「今日からお前は俺のペット(パシリ)な!!」
『…………はぁあぁあぁーーーー!!?』
首輪
(さ、最悪…)
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