[携帯モード] [URL送信]
03




『さっきの猫って…どういうこと?』






じょ、冗談だよ、ね?
でも本人は真剣というか…
真面目に言ってるし……‥






「んー…
今から詳しく話すから、とりあえず此処に座れよ」






そう言ってブン太は自分の座っているソファーの横をポンポンと叩き、私を招き寄せた。
……つか、此処私の家なんですけど




そんなツッコミを頭の中でしつつ、私は大人しくブン太の横に座った…






「まず、信じてないかも知れないけどよ。
さっきの猫は俺!」

『はぁ…』

「おま!
まだ信用してねぇな!!
よーし!じゃあ証拠見せてやるぜぃ!!」

『…?』






そう言いながらブン太はソファーを立ち上がり






――ボンッ!―






と音を立てて煙の中に消えていった…。






『!!?』






え、煙!?
しかもブン太も消えたし!!




キョロキョロと辺りを見渡していると、次第に煙が消えていき中からさっきブン太に渡した服の上にちょこんと座っている子猫が現れた。






「にゃあ」

『…………ブン太?』

「にゃあ!」






う、そ?


……嘘だ!!




パニックになりながらもう一度猫ブン太(?)をみると、手招きしながら私を呼んでいる




………ように見えた。






『な、何…?』






恐る恐る猫ブン太(?)に近づくと…






『!?////』






――ちゅっ―






と可愛い音でキスされた…






『な、ななななな!?////うぶっ?!






“何すんじゃあーー!!”と叫ぼうとした瞬間、また煙が現れ中から人間verブン太が現れた。


…………しかも、また裸






『ぎゃあぁあぁーーーー!!!!////
なんであんた服着てないのよ!?』

「仕方ねぇだろぃ!
1回猫になるんだから服のサイズ合わなくなるんだよ!」

『あ、あわわわわ…////』






仕方ないって…!(泣)
じゃあ、毎回こうなわけ…?!


…………体がもたない。






「んで?」

『ん?』

「俺が猫だって…信じた?」

『う、うん…』






そりゃあ目の前で猫と人間に変わる瞬間を見ればねぇ…‥


と、着替え終わったブン太にポツリと呟いた…――






「よし!
やっと信じたな!!」

『うん…』






信じたけど…さ?

何で……






『何でブン太はそんな体なの?』

「……え」






少しの沈黙の中、ブン太からの小さく驚いた声…


も、もしかして聞かれたくなかったことなのかな!?






『ご、ごめん!
聞かれたくなかった…よね』

「いや、別に大丈夫…
つか、お前に話さないといけねぇしな…」

『う、うん…』






うわぁー…
なんか重い雰囲気…


どうしよう…
私こういう雰囲気大嫌いだから…




耐えられない(シリアスムードぶち壊し)






「笑うなよ…?」

『え、うん…』

「呪いなんだ…」

『呪い…?』






呪い…?
呪いって…!


ワァーオありきたり!!(最悪)




なんてこの雰囲気で言えるわけ無いので一応、空気を読んで黙っていた…






「なんか、俺の先祖が猫に悪戯しただかなんかで、代々俺の家系は猫になる呪いがかけられてるんだとよ」

『そんな馬鹿な』






あ、ついにツッコミ入れちゃったよ


つか、本当にありきたりすぎるんですけど…

悪戯って…!
家系って…!




でも、ブン太が真面目な顔してるってことは本当なんだろうな…






『……で?』

「んぁ?」

『どういう時に猫になったりするの?』






ツッコミたくてもツッコミない気持ちを鎮め、私はブン太に解いた。






「あー…
んと、猫になるにはそんな条件は無いんだよ
俺が猫になりたいと思えばなれる…みたいにな?」

『うんうん』

「あと、さっきみたいに弱ったりしていると勝手に猫になっちまったりするんだよ」

『寒かったり、風邪をひいたりすると…ってこと?』

「あぁ」

『なるほど…』

「で、人間になる条件は…」

『…?』






そこまで言うとブン太はいきなり黙りこみ…
私は不思議に思い、ブン太の顔を見ると口端が上がりニヤッとしながら私を見つめてきた…





『な、何…?』

「人間になる条件は…」

『うん…』

「キスしてもらうってこと♪」

『うん…ってはぁあぁーー!?






キスって…

kissって…

接吻ーー?!(何故言い方変えた)






『な、な、な(//□//)』






確かにしたけどさ…!


うわぁー…
恥ずかしい…
相手が猫だとしても人間になるし猫になるし人間になるし?!(テンパってる)






「しかも野郎のキスとか普通の女子のキスじゃ駄目らしいぜぃ?」

『な、何故疑問系…?』

「親父が言ってたから」






そう言うとブン太は、ガムをプクーと膨らし始めた。


…………どこから出したんだ?






『ふむふむ…
大体の事は分かったけど…』

「けど?」

『その呪いって…

解く方法無い、の?』

「ある」

『即答?!』






あるって言うのにもびっくりだけど、まさか即答されるとは思ってもみなかったよ。
つか、あるなら呪い解こうよ






『あるならなんで解かないの?』

「解き方が分かんねぇから」

『え?』

「解く方法はぜってぇある
現に俺の親父はその呪い解いてるしな…
けど俺は呪いを解く方法を知らねぇんだよ…」






なるほど…
そういう事だったんだ…‥


だけど…


それなら……






『お父さんに呪いの解き方を聞けば良いんじゃないの?』

「あー…無理無理
実際俺も聞いたけど“知るか!俺も必死こいて解いたんだからお前も自力でなんとかしろ!!”だぜぃ?!
ありえねぇだろぃ!!」

『…………………』






なんと、まぁ…
凄いお父さんですこと。






「けど、それじゃあ流石に分が悪すぎるからヒントはくれたんだけどな!」

『…………ヒント?』

「あぁ、確かー…
“自分の飼い主と自分の花を見つけろ”らしいぜぃ?」

『自分の…』






飼い主と…花?






「多分、花は俺の名前がついた花だと思うんだよ」

『ブン太花?』

「おう!」






うーん…
絶対違うと思う。
そんな変な名前の花があったらびっくりだよ






『(まぁ良いや)飼い主は?』

「ん、でだ!」






そう叫ぶとブン太は急に立ち上がり、私に指を向けた…


コラコラ、人に指は指しちゃいけませんよ
お父さんに教えてもらわなかったんですか?






『な、何?』

「俺は自分の飼い主を見つけた!!」

『誰?』

「渚」

『はい?』






渚って…
私の名前ですよね?




はい?






『それって…私、のこと?』

「おう!
つか、さっきからそう言ってるだろぃ!!」






はいぃいぃいぃ!!?
何言ってるんですかこの猫は!!






『嫌だって言ったら…?』

「言わせねぇ!
つか拒否権ねぇし!!」

『なんで!?』






下さいよ拒否権!!






「だってお前、拾ったからには育てるつったじゃねぇか!」

『いや、それは猫の場合だから!』

「俺も猫だろぃ?」

『う…
そ、そうだけど…
これとそれとじゃ話が別…!』

「言い訳無用だぜぃ!」

『えぇーー!?』






…………とりあえず


大きいペットが出来ました。












可愛いペットの見つけ方
(なぜ私ーー!?)







NEXT→あとがき

[次へ#]

第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!