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「――…なる程、そうでしたか
となると望美さんと譲君は現世での雛さんの知り合いなのですね」

「うわーん!雛!!
会いたかったよ!!」

「はい、そうです」

『ちょ、望美ちゃ…!
く、苦しいよ…』

「それにしても「会いたかったよー!!」

「望美さん、いい加減にして下さい(黒笑)」

「うるさい、部外者は黙って(黒笑)」

『「…………」』






く、空気が重いよ…(泣)






つる日々草
Act.15:風船葛-フウセンカズラ-






『と、とりあえず望美ちゃん落ち着こう?』

「うん、そうだね!」

『じゃあ一先ず…
望美ちゃんこの子は…?』

「この子は白龍!私の龍なんだよ」

『え、えっと…?』

「望美さん、流石にそれだけでは分かりませんよ
雛さん、以前僕は龍神の神子についてお話しましたよね?」

『はい』

「実は望美さんがその龍神の神子…白龍の神子なんです」

『へー…え?!』






りゅ、龍神の神子の白龍の神子って事は朔の対となる存在と言うことで…
とても凄い人って言うわけで…


うえぇ!!?




ちらっと望美ちゃんを見ると、笑顔でピースをしていた。


うえぇえぇ!!?






『す、凄いよ望美ちゃん!
白龍の神子だなんて…!』

「因みに僕と譲君…そして九郎は八葉みたいです」

『えぇえぇえぇ?!!』






八葉は神子を守る存在で…
全部で八人いる中の三人が知っている人で…


あーもう、何に驚けば良いのか分からないよ!






「ねぇ雛ちゃん…?」

『ん?なに望美ちゃん?』

「その簪に付いている石…」

『へ?これ?』






望美ちゃんに疑問をもたれた簪を外すと私は望美ちゃんの前に差し出した。
すると、望美ちゃんの他にも譲君や弁慶さんや朔、そして白龍と言う名の少年も少し顔を歪ませた。






『み、みんな?どうしたの?』

「似ているわね…」

『何が?』

「確かに似ていますね…」

『だから何が?』






おーい、無視ですか?
みんなして“似てる…”って!

唯一違うのは、白龍の顔が明るくなっていく事だけ。






「実はですね、よくよく見れば雛さんの持っている石が似ているんですよ…」

『何に?』

「八葉に付いている…宝玉にです」

『へ?』






弁慶さんの宝玉や譲君の宝玉を見せてもらったけど…確かに似ている。
宝玉の大きさや形、しかし唯一違うのは体に付いていないということ…






「白龍…これって?」

「うん、これは八葉の欠片だよ」

『八葉の…』






欠片…?

一体どういう意味?






「八葉の欠片って一体なんなんですか?」

「八葉の欠片は神子、そして八葉を手助けするために使うものだよ」

『手助けするため?』

「うん、この欠片を持つものが強く願えば、神子や八葉の力を上げたり怪我を直したり出来る」

『怪我を…』






「流石ですね…
傷あとひとつありませんよ」

『うそ!』







『強く、願えば…』






どうか…
どうか九郎さんの目が覚めますように…‥







『…………』






確かに思い当たる点は多々ある。
だけどカメラだったこの宝玉が…
ただの一般人だった私が…


未だ信じられない…――






「凄いね!雛!!」

『……え?』

「雛が私を手助けてくれる存在だなんて!
やっぱり私達は運命共同体だよ!!」

『の、望美ちゃん…』






私なに悩んでるんだろう。
元はと言えばみんなの力にたちたかったんだもん、寧ろラッキーな事じゃない!






「ねぇ雛?」

『え?』

「私達の力に…なってくれるかな?」

『望美ちゃん…』






いつもの望美ちゃんの表情とは違い、とても真剣な顔。

流石、神子だね望美ちゃん…






『もちろんだよ!!』






やっと見つけた、私がみんなの足を引っ張らない方法。
それをくれたお母さんに感謝をしつつ、私は笑顔で望美ちゃんの問に答えた。






「やった!!」






笑顔でいつものように抱きついてくる望美ちゃん。


だけど、あれ…?
お母さんって何者だ?






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あきゅろす。
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