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09




覗き!?騒動から早5日…


まだまだこの騒動は治まることをしりません。






つる日々草
Act.9:アルメリア-アルメリア-






「おはよー雛ちゃん!」

『あ、おはよう…ございます』

「今日の朝ご飯は何かな〜?」

『き、今日は豚汁と…――
それより景時さん…』

「何だい?」

『手、手を…!』

「兄上!いい加減にしてください!!」

「景時!いい加減にしろ!!」

「ふふ、景時は早死にしたいみたいですね?」






私がこの世界に来て早くも6日が経った。
私は住ませてもらっているお礼に(唯一の)得意である料理を作る事にしたが、毎日毎日行われる景時さんのセクハラでなかなか作業が進まない。


今朝も食事の支度をしていると、後ろから急に抱き締められて耳元で囁かられた。
そして抱き締めている手が胸の近くにあるのは嘘だと思いたいです。






「わっ!み、みんな落ち着いてよ!!」

「お前には心底失望した!毎日毎日…」

「おや?もしかして九郎、羨ましいんですか?」

「なっ!!」

「そうだったんだ九郎。」

「ち、違う!!誰がこんなや…!
俺は失望したと言ってるだろうが!」

『…………』






誰がこんなや…!の続きが凄く気になるんですけど。
九郎さんって根は凄く良い人だけど、素直すぎるのが玉に瑕だよね…




そして、景時さんが九郎さんと会話している間に私と朔で料理の仕上げにかかる。


……なんか私、あんまり役に立って無い気がする。






***






「美味しい!流石だね!!」

「本当に…料理だけは天下一品だな
見た目では全く想像つかん」

『九郎さん、それどういう意味ですか』






失礼な。
確かに知的なイメージな私は料理不得意そうに見えるかもだけど…






「雛さん、間違ってますよ
雛さんは全然知的なイメージではありません」

『( ̄田 ̄;)』

「寧ろバ…失礼(ニコッ)」

『言うなら最後まで言ってくださいよ(泣)』






どうせ馬鹿って言おうとしたんでしょ!
良いですよ!どうせ私は馬鹿ですよ!!




そしてこの方の腹黒さも治まることをしらない!
そろそろ私もキレますよ?!






「ほう、そうですか…是非どうぞ」

『すみません、嘘です』






“出来るもんならやってみろや”的なオーラが出まくりッスよ(泣)
恐いったらありゃしない…






『あ、そうだ朔!
これ食べて少ししたら、また舞教えてもらえるかな?』

「ええ、勿論良いわよ」

『やった!』






ご飯を噛み締めて笑顔で食べる私。


そんな私を見て怪訝そうな顔をしたのは、勿論九郎さんだった。






「なんだお前…
朔殿に舞を教わってたのか?」

『うん!この前見せてもらったとき凄い綺麗だったから…』

「ふふ、ありがとう雛」

「お前が舞か…」

『何?九郎さん』

「朔殿も大変だな」

『どういう意味ですか』

「でも雛ちゃんの舞は絶対綺麗だろうね
一番最初はオレに見せてくれないかな?」

『え…?
別にそれくらい全然良いですよ』

「本当に?!やった!!」






私、こんな風に喜んでくれる景時さんは嫌いじゃない。
寧ろ、こんなに喜ばれるとくすぐったいような感じで凄く嬉しい。

本当に…
何時ものセクハラさえ無ければ完璧なのになぁ(遠い目)






「それじゃあ雛さん、こっちの方は舞の練習が終わってからで良いですか?」

『あ!す、すみません』

「別に大丈夫ですよ
それに僕も雛さんの(滑稽な)舞、楽しみにしていますし」

『…………』






何でだろう…
嬉しい事を言われたはずなのにちっとも嬉しくなれないのは…
寧ろ腹が立ってきた。






「なんだ…?
お前、弁慶にも何か教わっているのか?」

『あ、はい!
私、何でかは分からないですけど、治癒力が身についたので他にも薬の調合の勉強や種類など覚えようと思って!

あと、直ぐに倒れないように体力作、りを少々…‥』






本当は凄く嫌だったけど(体力作りの量がかなり多いから)、私が住んでいた時代とはかなり違って色々物騒だし…






「大変だな…
急にそんなに慣れないことしていたら体が保たないぞ」

『いや、大丈夫です!

それに…』






それに…






『少しは…
皆さんの役に立ちたいですし…‥』

「「「…………」」」






私が此処に来てまだ6日間しか経っていないけど、毎日疲れた顔して帰ってくるみんなを見て、こんなにお世話になっているのに私は何も出来てないと改めて思った。






「だけど、雛ちゃんはこんなに美味しい料理作ってくれてるでしょ?
オレ達はそれだけで全然良いよ!」

『だ、だけど…!』






年齢の近い朔だって、この戦争に参加しているのに…
一番お世話になっている私が何もしないなんて、






『何もしないのは…嫌、です』






絶対に。






「雛…」

『っあ!ごめんなさい…
せっかくのご飯の最中に気を悪くしてしまって…』






みんなの顔を見ると真顔で微動もせず私を見つめていた。




どうしよう!
絶対みんな生意気な奴だなって思ってるよ!!






「雛…




可愛い!!」

『這( ̄□ ̄;)ええ!?』

「可愛い!本当に可愛すぎ!!
そして…ありがとう、私達のこと思ってくれて」

『朔…』

「兄上…次の戦の時を連れて行っては駄目でしょうか?」

「駄目って言われてもねぇ〜…
九郎はどう思う?」

「駄目だ」






即答かい。


けーち、けーち、九郎さんのどーけーち!!(ガキ)






『そう、ですか…』

「次の戦は駄目だ…

だが…」

『?』






だ、が…?






「お前の成長次第検討してやらない事も無いけどな…」

『…!!』






と言うことは…?






『え、本当ですか!?九郎さん!!』

「だ、だからお前の成長次第と言ってるだろ!!
まだ、早まるんじゃない!」

『はい!分かりました!!
私苦ぎょ…いえ、修行頑張りますね!!
ありがとうございますーー!!!!』

「お前…!抱きつくな!!」

「えー!ズルい九郎!!
雛ちゃん!オレにも抱きついてよ!!」

「くーろーうーさーんー!!(T□T)」

「わ、分かった!良いから離せ!!(//□//)」

「無視、雛ちゃん…?」






嬉しいよ!
なんかみんなの一員になれた気分!!






「何言ってるんですか雛さん…」

『へ?』

「雛さんはもうとっくに僕らの一員…仲間ですよ」

『弁慶さん…』(ジーン)

「まぁ、その話は一先ず置いて…
雛さん、先程僕の修行を苦行と言おうとしましたね?

『(ギクッ!)な、ななななんのこ…』

「今日の体力作りはいつもの三倍にしましょうか(ニコッ)」

『ごめんなさい(泣)』






明日、筋肉痛決定ですね。






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あきゅろす。
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