07
「……頑張ってね」
あれ…?
また、お母さんだ…‥
「これから……がみ……大変だと思うけれど…」
え?
何言ってるの…
途切れて、聞こえないよ…‥
「雛なら大丈夫よね…
だって私達の娘なんですもの…‥」
お母さん…‥
「私達……の……」
え…?
つる日々草
Act.7:秋の麒麟草-アキノキリンソウ-
『お母さん!って…あれ?』
此処は…
「雛?
大丈夫、汗だくじゃない!」
『あ…朔?』
「えぇ…、本当に大丈夫?」
そっか…
此処は京だったっけ…。
『う、うん…大丈夫』
さっきのも昔の記憶の夢だったのかな…?
でも、あんな優しい顔したお母さん見たことないな…
『あの、朔…?私…』
「雛はね、昨日弁慶殿の傷を治したあと直ぐに、パタリと寝ちゃたのよ…
弁慶殿が言うには、慣れない世界に来た不安といきなり使った力の疲労だって言ってたけど…大丈夫?」
『うん!もう平気だよ!!
心配かけてごめんね…』
「フフ、雛が元気になったならそれで良いわよ。
そうだ、さっきお風呂沸かしたから入ってきたら?
さっぱりして良い気分になると思うし。」
『そうだね…
うん!そうするよ!!』
***
――チャポンと水が鳴る音が聞こえる…
『ふう〜…気持ちいー』
家も広いなぁ〜って思ってたけど、お風呂も広いや…
『……3人で暮らしてるのかな?』
兄妹かな?
でも、みんな苗字とか違うか…
じゃあ、3人で同居?
けど女の子1人に男の子2人は危ないよね色々と…
『ふーむ…謎だ』
私はお兄ちゃんと望美ちゃんがいるからそういうことには絶対ならなかったけど…
『今の状況知られたら大変なことになりそうだけどね…(苦笑)』
九郎さんあたりは殺されるかもね(爆)
弁慶さんは大丈夫そうだけど…(黒いから)
『……まぁ、あとで聞いてみようかな?』
あー…
ちょっとのぼせてきたかも…
『そろそろ上がろうかな〜?』
確か二段目の棚に、替えの着物とタオルを置いてるって朔言ってたっけ?
『んー…と
あ、あった!これ――ガラッ―
かな?
と言う言葉は突然開いたドアにかき消された…。
…………ん?
「ねぇ〜…朔
このお湯のことなんだけ、ど…」
「『……………………』」
あー
なんか最近こういうこと多くないッスか…?
…………とりあえず
『ギャアァァァアァァーーーー!!!!』
叫びました。
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