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05




「失礼します」

『し、失礼しました』

「まだ入ってませんよ」






し、知ってますよ…!
ただちょっと間違っただけです!!






つる日々草
Act.5:翁草-オキナグサ-






「ちょっとでも凄く意味が変わりますけどね(ニコッ)」

『本当にお願いします心読まないで下さい






じゃないと生活していけません…






「仕方ないですよ、読まれるあなたが悪いんです」

『…………』






…………無念!(武士風に)


じゃなくて…!






『この方が…九郎さんですか?』

「はい、太刀を持たせれば天下一品ですよ
頼朝様弟で名代をうけています」

『はぁ…』






これまた美形さん。

綺麗に伸びて少しクセのあるオレンジ色の髪の毛…
そして1番気になるのは…‥






『タン、コブ…‥』






おでこにあるでっかいタンコブ






『あの…
このタンコブって…』






もしかして…






「もしかしなくても雛さんが落ちてきた時に出来たものですね」

『やっぱりですか!』






分かってたけど…
痛そうだな






「あら、弁慶殿
どうなされたのですか?」

「あぁ、朔さん
九郎の様子を見に来たんですよ」

「そうですか…
でもこの分ならまだ起きそうにありませんね」

「そのようですね…」

『…………』

「あの、そちらの方は…さっきの?」

「はい
目が覚めて、九郎に合いたいと申したので連れてきたんですよ」

『…………』

「雛さん?」






わぁーわぁーわぁー
美人の可愛い子ちゃんだ




すっごく綺麗…
今なら望美ちゃんの気持ち分かるよ!
お嫁さんに欲しいですね






「そしたら子供できませんよ?」

『それくらい愛でカバー出来ます!
あ、でもこんな綺麗な方なら子孫いたほうが良いですよね…』

「あなたは変な所で真面目ですね」





ありがとうございますっ!
でも変は一言余計です






「あの…?」

「すみません彼女が朔さんを妻に迎えたいと言い出しまして」

「え?
あ、ありがとうね」

『うそ!
OKしてくれるんですか!?』

「いい加減にしましょうね雛さん?(黒笑)」

『すみません』

「えっと…
あなたの名前は?」

『私は櫻井雛です!』

「私の名前は梶原朔よ
よろしくね雛」

『はい!朔さん!!』

「フフ、朔で良いわよ
あと敬語も禁止」

『はい、じゃなくて…
うん、よろしくね朔!!』






うわぁー
可愛いだけじゃなくて優しくて気さくだなぁ!!
オールマイティーだ!!






「………っ…」

「魘されているみたいですね…
雛さん、朔さんちょっと待っててもらえますか?
痛み止めの薬を持ってくるので」

「はい」

『逝ってらっしゃい!』

「あなたが逝きましょうか?(黒笑)」

『冗談です!
すみません、首絞めないで下さい』(危ない)






なんで発音で分かるんですか?!


そう聞くと
「さぁ、なんででしょう?」
とかなり曖昧な返事をされた…


さぁ、なんででしょうね?




それにしても…






「………っ…」

『痛そう、ですね…』

「そうね…‥」

『…………あ、そうだ!』






そして私は九郎さんのタンコブのある所にそっと手をのせた。






「雛…?何をしてるの?」

『おまじない!』

「おまじない…?」

『うん!
昔、お母さんがやってくれたんだ!!
コレをすれば大抵の病気が治るの!』

「まぁ…!それはすごい!!
どうやるの?」

『フフ、見ててね!!




痛いの痛いの飛んでいけー

「…………」






あ、今馬鹿にしたでしょ?
でも、コレ実際よく効くんだからね!!






『痛いの痛いの飛んでいけー』

「ねぇ、雛…?」

『ん?』

「それ本当に効くの?」

『勿論』






でも可笑しいなぁ…






「………っ…」

「治らないわね…」

『うーん、何でだろう?』






お母さんがやってくれた時は直ぐに良くなったのになぁ…


お母さんと違う所…

確か、






『何か持ってたような…』






何だっけ…?


まぁ、此処にあるからカメラでいっか!




そして私は持っているカメラをギュッと握りしめ、今度はタンコブのある場所に手ではなくおでこをそっと合わせた…






そした、ら






「雛?!」






急に周りが光り出し、カメラの感触がいきなり小さな玉のようになった…






「只今戻りました


…どうしたんですか?」






弁慶さんの声が聞こえる…


だけど、今は…






『九郎、さん…』






九郎さんが良くなりますように…。


ただ、そう願うだけ…






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あきゅろす。
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