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04




『異、世界ですか…?』

「はい」






今弁慶さんに聞いた話によると、私の住んでいた世界より大分昔らしい…‥(←馬鹿だからイマイチ理解出来ていない)


そして約百年ほど前にも、このようなことがあった、らしい…






つる日々草
Act.4:蚊帳吊草-カヤツリグサ-






『なるほど…
でもそれなら納得出来ます
私が住んでいた場所に比べて建物とかも古いし…
それに弁慶さんはカメラについて知らなかった…‥』






今持っているカメラをキュッと抱きかかえ、自分がすごいことになっていることを改めて考えた。






『その…昔にもそういう事があったんですよ、ね?』

「はい。
昔も今のような戦争が絶えない時に“神子”が現れ“八葉”と共に混乱した都を龍神の力で救った…」

『神子と八葉…?』

「神子とは怨霊を封じ込める力をもつ方で、八葉とはその神子を守るものと僕は聞いています。」






神子と八葉か…

すごいな…


そして自分でも分かる、私は神子や八葉ではないということ。






『あの…弁慶さん?』

「何ですか?」

『私は…神子や八葉ではないですよ、ね?』

「……確信は出来ませんが多分違うと思います」

『ですよねー…』






分かってるけど


じゃあ…
じゃあ、なんで…






『なんで私は此処に居るんでしょうね?』






この辺がイマイチ理解できない…


だって私には何も力もないし…
寧ろ足手まといな気が…






「雛さん…




不細工な顔になってますよ

『あなた失礼ですね』






シリアスムード一気に崩壊しましたよ





「まだ雛さんが何故この世界に来たのかは分かりません…

偶然か
それとも必然か…」

『……………』

「だけど来てしまったことは仕方がないですよ
帰れる方法を一緒に考えましょう?
僕も支援しますので」

『……弁慶さん』






あぁ…!
私今純粋に感動してますよ!






「でも足手まといにはならないで下さないね(ニコッ)」

『は、はい…』






私の感動返してください
やっぱり黒いよこの人…




それにしても…






『弁慶さんってそういうこと詳しいですね?』

「昔、勉強しましたからね…」

『…………すごいですね』






私はもう頭がパンパンですよ…
すでに色々あってパニック状態なんだもんビリから19番の私にはかなりキツい


そういえば…頭といえば…






『あの…弁慶さん?』

「はい?」

『その、私が上から落ちてきたときにぶつかった方…大丈夫ですか?』

「あぁ九郎のことですか?」

『九郎、さん?』

「オレンジ色の髪の方ですよね?」






えっと…

私が落ちたときに見た色は確かオレンジ色だったから…






『多分そうだと思います?』

「フフ、彼ならまだ眠っていますよ」

『え!?』

「まぁ、あの高さから落ちたんですから普通だったら当分おきないでしょうね…
あなたは平気だったみたいですが

『すみませんね、普通じゃなくて』






私ってそんな丈夫だったけ?






「会いますか?」

『へ?』

「彼、九郎にですよ
心配なんでしょう?」






確かに…


私が落ちて、まだ気絶していると聞いて気にしない方がありえない


だけど…




また疑われるのが…恐い。






「大丈夫ですよ」

『え?』

「彼は確かに堅い所がありますが、女性には優しいですから
それに…僕も彼に説明しますから」

『弁慶さん…』

「説明しても聞き入れなかったらもう一眠りしてもらいますし(ニコッ)

『恐いです、恐いです』






笑顔でサラッと言わないで下さい






「それでは行きましょうか雛さん」

『は、はい!!』






そして私は、少し募る不安と共に部屋をあとにした。






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あきゅろす。
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