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MAIN-Dream-
01


「何だ、お前。迷子か?」






いつもの通りトレーニングを終えると、忙しなく帰り支度を始めた。


「...どうかしたんですか?」

「あぁ、いや、迷い猫拾っちまってよ。」

「お人好しもここまで来ると尊敬に値しますね。」

「うっせえ!」


じゃあな、と元気良く返事をして颯爽と消えて行ったおじさんの背中を無言で見送る。









「ただいま!」

「おかえりなさい。」

「何にもなかったか?」

「うん。」

「そうか。」

「でも、」

「?」

「チョコがなくなった。」

「それなら買っといたぜ!」

「...ありがとう。」


帰宅して人がいるのがなんとなくくすぐったく感じてしまうのは一人暮らしが長いせいなのだろうか。
目の前の少女の所望するチョコレートを手渡す。無表情に見えるが少しだけ綻んだ様子の少女の顔に、今は別居している実の娘の姿を重ねてしまうのは許して欲しい。


チョコレートとは別に買ってあったクッキーに手を伸ばした少女の手を遮り、今から夕食作るから待ってろ、と言うと潔く手を引っ込めてひとつ頷く。


調理をするためキッチンに立つと、その入り口に少女が立つ。危なっかしい少女に対する言いつけはキチンと守られているようだ。
そんなことを思いながら調理を進めて行くと少女が口を開いた。


「今日もいっぱい壊してたね。」









(苦笑いしか出てこない)

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あきゅろす。
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