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俺の日常




「―――であるから、ここは」


黒板を見ているものの、その情報は随分昔から頭の隅に居座っているものだ。
暇だ…。と思い何ともなく辺りを見渡せば、懸命に黒板の文字ではない何かをノートに書いている隼人と、机に突っ張って堂々たる睡眠を貪る山本が目に入った。


あぁ!
これこそが俺の望んだ平々凡々な生活!!

何か、骸とかヴァリアーとかと戦った気もするけど。
未来に行っちゃった気もするが、だが!!
きっとあれは全部夢だ!!
悪夢だ!!

で、今は夢が覚めた状態!

…そう信じたかったのに…。


そんなことを内心叫んだ矢先に感じた僅かな殺気。
瞬時に窓の外に目をやると黒い集団が銃を構えていた。


「皆伏せろ!!!!」


綱吉にしては珍しい切羽詰ったような声に反応したクラスメイトは訳も分からず、とりあえず頭を伏せたり机に潜るなど行動をとる。
それから一番に耳に入ったのは、綱吉に対する疑問符を使った言葉や罵倒の言葉。
ではなく、教室の窓の一枚がが盛大に割れる音。

中の様子を悟られないようにと瞬時に判断した獄寺と山本がカーテンを閉める。
未来に行って学んだ、咄嗟の判断力。


隼人はともかく、前の山本だったらまだ状況を理解できずにまだ笑っていただろう…。
恐ろしい天然だ。


しかし、今現在の山本は笑っておらず、緊張しているのか怒っているのか口元が引きつっている。


「オイオイ、こんな真昼間の中学校に乗り込んでくるなんてよ;;」

「隼人、見えた?」

「ハイ。
最近5代目が就任したばかりのコッツォリーノファミリーでした。
肉眼確認できたのは16人。
ドン・コッツォリーノとその右腕のジャン・マッテオもいました。」


…ハァ。と溜息をこぼす。


これだから最近の甘やかされて育った世界の広さを知らない若人は困るんだ。
自分が最強だとでも思っているのだろうか。
傍迷惑な中二病患者め。
家で引きこもっていた方がまだいい夢を見られていただろうに。


と他人事のように感想を言う。
…まぁ、勿論他人事なのだが…。








(とりあえずまぁ)
(面倒くさいな)

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