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いちごとあんこ


入隊して数ヶ月、あいかわらず沢田は誰よりも早く書類を提出してくる。
そして松本の手伝い。
その後に平隊員の書類を手伝い、何もなくなれば挨拶をして帰って行く。

最初は終わればすぐに帰っていたようだったが、最近は3時にお菓子を食べてから帰っているようだった。


「つーなよーしくんっ!!」

「あ、乱菊さん!日番谷隊長!」

「今日のお菓子は何?」

「今日はイチゴ大福作ってきたんです。」


どうぞと言って差し出された大福を齧ると少し酸っぱい苺と甘めの餡が見事にマッチしていた。


「美味いな。」

「美味しいー!!」

「ありがとうございます。」


珍しくほこほこと和やかな空気になった所で突然扉が大きな音をたてて開いたと思ったら、白い髪色をした異色の青年が入ってきた。

めったにこの部屋に入って来ない青年にびっくりしていると、次の瞬間青年の両の目にべチッと良い音をたてて、今現在自分の手にある物と同じ物が張り付いていた。


「いたいなー、綱吉クンひどいよー!」


文句を言いながら、もちゃもちゃとイチゴ大福を食べている千花白蘭。


「眼に粉入っちゃったかも。
ツナクン責任とって舐めてよ!」

「抉りとってジェット洗浄してやろうか?」

「えー、怖いなー。
冗談だよ、ジョーダン!!」

「はいはい。」




「綱吉くんってなんかちょっと変わってるわよねー。良い意味でも悪い意味でも。」

「あはは、それ本人を前に言っちゃいますか。」

「あら、褒め言葉よ!」

「...まあ、よく言われちゃうんですけどね。」

「でも何か今のでちょっと綱吉くんの印象変わっちゃったわ。」

「?」

「私の持ってた綱吉くんの印象は仕事もできる、人当たりもいい、世間渡り上手な完璧人間。
でもやっぱり、完璧な子なんてそうそういないわよね。」

「そうですよ。俺だって苦手な物のひとつやふたつくらい平気であります。」

「千花くんとか?」

「はい!」

「えー、ふたりとも僕がココにいること忘れてナイ?」

「アハハー。」














(完璧人間なんて)
(つまらないじゃないか)





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あきゅろす。
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