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初・奴良家


何がどう転んだのか知る由もないが、次の清十字なんとか団の活動場所は“趣のある奴良くん家”に決定したらしい。
...俺の家がばれない様に注意を払わなければ。
集合場所から奴良くんの家までは少し距離があり、何故かいきなり清継くんの妖怪クイズが始まってしまい、すでに問17まで達していた。


「今日は花開院くんに気合を入れてもらうからねー!!」


プロだぞ妖怪の!!と興奮している清継くんを見る俺の目は多分笑ってはいなかっただろう。
奴良家の門構えを見た途端に前の世界の滝を思い出す。確か滝の家の門もこんな感じだった。懐かしい。
そんなことを考えていると門が開き、大量の妖気と一緒に顔を出してくる奴良くんは、軽く謝ってからみんなを中へ招きいれる。





ひどく広い部屋に通された。
妖気を感じない彼らでさえ妖怪屋敷と言うほどだから、それっぽい雰囲気はあるのだろう。
風が強いせいか、さっきから障子がガタガタと音を立てていた。


「...なんか本当に出そう。」

「奴良くんこんな家に住んでたんだね。」


「いい雰囲気だ。それじゃあ始めよう。
今日は花開院さんに、プロの陰陽師の妖怪レクチャーを受けたいと思います。」

「は...。
そう、ですね...。
最初にこの前の人形、あれは典型的な“付喪神”の例でしょう。」


花開院さんの話はこの世界の妖怪事情を把握するのにとても助かった。


「なかでも危ないのは獣の妖怪化した存在!
やつらの多くは知性があっても理性がない。非常に危険!」


...結局、妖怪事情はどこにいっても大差はないようだ。










(早く家に帰りたい)





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あきゅろす。
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