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少年A


「持病、ですか。」


本家に着くのが少し早かったため、散歩がてらに公園に来てみればいつもの発作で突然気分が悪くなりベンチに凭れ掛かっていた。しばらくすると突然気分が良くなり、それと同時に少年の声が耳に入った。

酷く心配した様子だったので経緯を説明すると良かったです、と心底安心した表情を見せる少年に少し驚いた反面、少し気恥ずかしかった。


「悪りいな、下手な心配かけさせちまってよ。」

「いえ、とんでもないです。」

「俺ぁ鴆だ。」

「夏目貴志です。」

「この辺りに住んでるのか?」

「はい、ここからは少し遠いんですけど。」


そう言って山のほうを指差す。


「あの山の麓に住んでます。」

「一人でか?」

「...いいえ、友人と一緒に。
鴆さんは何処に住んでらっしゃるんですか?」

「神奈川の方だ。
今日は義兄弟に用があって来たんだが、生憎学校に行ってるらしくてよ。

...おっとすまねえ、忘れてたぜ。そろそろ戻らねえとな。」


そう言って立ち上がる。が、何分久々に来たものだからどっちから来たのかを忘れてしまった。
どうしようか迷ったその時


「奴良くんの家なら向こうですよ。」


指をさした後、にこりと笑ってさようならと言って指差した方向とは逆の方へ歩いていった。


「夏目....貴志...。」











(不思議な少年)





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あきゅろす。
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