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曖昧ライン
中学生になる少し前からは拓哉さんに勧められた家で初めての一人暮らしが始まった。
名目上は一人暮らしだが、実質そうではなく
「灯ー!三好ー!俺、学校行くからー!」
「「夏目!いってらっしゃい!!」」
「行ってきます」
二人の声に送り出され学校に向かう。今は子狐たちとともに暮らしている。
「あら、おはようございまし夏目さま。」
「おはよう椛(もみじ)。」
「学校とやらにございますか?」
「あぁ。」
「そうにございますか。頑張ってくださいまし。
ときに夏目さま、今晩夏目さまのお宅の裏山にて宴を催すのですがいかがですか?」
「....あぁ、行くよ。狐たちも多分連れて行くから伝えておいてくれないか?」
「了解いたしました。」
最後にいってらっしゃいまし、という一言を告げて一瞬で消えた椛を数秒見送り、再び学校へと歩を進める。
明日は土曜だから今晩は宴をやろう
俺だって酒を嗜むような年齢になってから死んでしまったんだ。
(偶の息抜きは)
(必要だろ?)
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