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―ごっこと命がけ―




「うわぁ!ホテル、大きいね!」

「そうね。ボロイ場所想像してたけど、案外いいところじゃない!」


「ホテルのチェックインを済ましてくるので、生徒の皆さんは荷物を持って、コチラでお待ちください!」


イタリア人のツアーガイドは日本語はかなり達者のようで、発音は殆どネイティブに近い。
そのため、こちらとしても理解しやすくとても助かっている。


(私が今いるのはイタリア)


(ツナ君のいる…イタリア)


綱吉に一度、招待されてボンゴレの屋敷に足を運んだことはある。
細かな道は覚えていないが、殆ど森のような場所を車で一直線だったことは覚えている。


(地図みたら思い出すかな?)


なんて、綱吉に対するサプライズを考えているとツアーガイドのかなり慌てた声が聞こえてきた。


「まもなく車が来ますので入り口までの道をあけてください!!!」


「ガイドさん、あんなに慌ててどうしたんだろ?」

「どっかの金持ちでも来たんじゃない?
ほら、あの車とか見るからにじゃない。」


花の視線を辿った先に停めてあったのは黒塗りの見るからに高級車。
映画なんかでよく見るヤクザやマフィアが乗ってる車だ。

周りの同級生たちは興奮したように騒ぎ出す。


「うわー!メッチャかっこいいんですけど!」

「案外マフィアだったり!!」

「やだー!殺されちゃうよww」

「いやいや。ベネチアなんだし案外本当にそうかもしんないよ!!」


なんて、面白可笑しそうに話し出す。
殆ど皆、同じ様な内容。


(…マフィア。)

(…ツナくん。)


やっぱり携帯で連絡をいれるべきだろうか。


(…うーん。)


「・・・京子、どうしたの?」

「え?」

「なんか上の空。もしかして時差ボケ?」

「あ、違うの!!
ただ、ツナ君たちよく…」

「あぁ。
なんかマフィアごっことかしてたわねー。
中学生にもなってごっこ遊びとか……ガキかっての。」

「中学生はまだまだ子供だよ!」


ごっこじゃないよ…花。
ごっこ遊びなんかじゃ…ないんだよ。










(ごっこ遊びだったら)
(良かったのにね)


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