[携帯モード] [URL送信]
じゃっくおーらんたん。(2010年10月)




拍手、有難うございますっ!!
今月のお礼文はA3です♪



『じゃっくおーらんたん。』

「トリック  オア「トリートだっ!!」


「わぷっ!!」
最後迄言わさずに、その大きくあけられた口に棒付きキャンディーを突っ込んだ。
まぁ、1口で頬張るには少々でかいが、こいつ相手に気にするコトもないだろう。
「なに?コレ。」
「キャンディだ。
チョコレート、マシュマロ、クッキー、キャラメル……なんでもある。
好きなだけ持って行け。」
なんだかわからなくても取り敢えず食うのか……。
いきなり口の中に突っ込まれた飴をバリバリと噛み砕いて飲み込むと、
後に残った棒をしげしげと眺めている。
そして、おれは手元にあった籠一杯の菓子を入れ物ごと押し付ける。
種類も量も、コレだけあれば文句はないだろう。

なのに、その不服そうな目はなんなんだよ!
「ねぇ、サンジ?
折角こうして仮装までして来たんだからさ、
ちょっとくらい"イタズラ"しても良いと思わない?」
「思わねェ。
てめェのは"イタズラ"じゃなくて"セクハラ"だ。」
どこか拗ねる様な狼男に、
キッパリと言い切る。
そう、コイツの"イタズラ"を回避するために、わざわざ思いつく限りの菓子を用意したんだ。

「…………。」
「…………。」
無言の攻防。
ここで甘い顔をしたが最後、
結局コイツペースに巻き込まれるのがオチだ。

「ちぇ〜〜っ、残念。
折角サンジで遊べると思ったのに。」
大袈裟に方を竦めて、先に退いたのはエース。
「本音が出てるぞ、バカ兄貴。」
「ん?あ、間違えた。」
おれ"と"と、おれ"で"では意味が全く違ってくる。
エースはおれの指摘に、
わざと間違えたクセに、失敗、とばかりに舌を出しておどけてみせた。

「ったくいい加減にしろよな。
そのオバケかぼちゃに突っ込んで、ロウソク代わりにすんぞ?」
指差す先には、人ひとり充分に中には入れそうな程の大きさのオバケかぼちゃで作ったジャック・オー・ランタン。
「!
あっはっは、いいな、ソレっ!!」
「はぁ?」
「ウチでもハロウィンはやるんだけどサ、
そのアイディアはでなかったなぁ〜〜っ!!」
まさか、メラメラの実の能力にそんな使い方があるとは思わなかった、
と、楽しそうに続けるが、おれだって思ってねェよ。
不可能承知で言ったセリフに、
何故かノリ気なエースは、
オバケかぼちゃの傍まで歩くと、確認する様にぺちぺちと叩いた。
お……おい?

屈んで中を覗き込むエース。
しばらくなにやら考え込んだ後に、
何をどう納得出来るコトがあったのか、ひとりウンウンと頷く。
おいおいおい〜っ?

「ちょ、エー……」
「よっ、と。
なぁ、サンジ。こんな感じか?」
「なにやってんだてめェは〜〜〜っ!!!」
止める間もなく、オバケかぼちゃの中に入り込んだかと思えば、
本当にメラメラの実の能力を使って、自ら灯りとなる。

アホだ……!
正真正銘のアホがいるっ!!

「サンジもおいで。」
「おいで、ってあのなぁ、
あんな冗談まにうけるなよ。」
引っ張り出してやろうとオバケかぼちゃの口元まで行くと、
一瞬の隙をつかれて逆に中へと引き込まれた。

狭い!
それに、この密着状態はなんなんだっ!!
胡座をかいて座るエースに抱き付く格好となってしまった。

文句を言ってやろうと睨み付けると、してやったり顔のエースと視線が合った。

!まさか、初めっからコレが狙いかっ?!

ぎゅむ〜〜っ!!と、抱き締められても、身動きさえままならない空間ではろくな抵抗だって出来やしない。

そして、エースはにっと笑った。

「イタズラ成功Vv」





「ルフィっ!!
不思議かぼちゃだっ!!
好きにしろっっ!!」
「えっ?サンジっ??」
驚くエースにお構いなしに、
"灯り"ごとオバケかぼちゃを甲板で遊ぶルフィの元へと蹴り飛ばす。

「おおっ!凄えっ!!」
中にいるのがよもやまさか、強くてカッコ良い大好きな兄ちゃんだとは思ってもいないルフィが、
ロウソクもなしに光を放つ不思議なオバケかぼちゃに、キラキラと目を輝かせる。

恰好のオモチャを手に入れたルフィは誰にも止められない。


ったく、バカ兄貴め!
そこで弟と遊んでろっ!!


終わる。
(2010・10・28)

はっぴ〜・はろうぃん!






[*前へ][次へ#]

9/11ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!