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寒い:3。(サンジVer.〜湯たんぽ。〜)
……寒ぃ。

冬島が近いのか、ここのところ安定した寒さが続いている。
コートを着て防寒対策はとっているのだが、それでもこの寒さは骨身にしみる。
お子様3人組は、飽きもせず雪合戦や、雪像作りでこの気候を逆に謳歌している。

……あれ、暖かそうだよな。

微笑ましい光景も、発想を変えれば違う見え方をする。
さて、どれにするか?
しばし考える。

……やっぱ、コレだな。

「わっ!!サンジ??」
元気に遊ぶ3匹のうち、1番活の良いのを掴まえる。
うっし!
思った通り暖ったけぇ。
ぎゅっと抱きしめると、子供の体温の高さが伝わってくる。
う〜ん。温い。
体温が心地良かった。

「あら、サンジくん、
ソレ良いアイディアね!
私も!!
……うん、暖ったかい!」
そんな遣り取りを見ていたナミさんがチョッパーを掴まえてぎゅっと抱きしめる。
ああっ、なんてことをっ!!
う、羨ましいっ!!
羨まし過ぎるぞ、チョッパー!!
「おい、チョッパー!
俺と代わ……?!」
代われ!!
言おうとしたその時、影が落ちる。
咄嗟にルフィを抱えたまま横に飛び退くと、今さっきまで居た場所に、光を遮った物体ー巨大な雪玉ーが落とされた。
こんな真似するのは……。
「何しやがる!!クソマリモっ!!」
確かめなくても解る。
こいつしかいない。
案の定、雪玉の飛んで来た方向にはマリモが鬼の様な形相で立っていた。
子供が見たら、怯えて泣くぞ。
「こっちのセリフだ!!
ルフィを放せ!!エロコック!!」
「!誰がエロコックだっ!!
湯たんぽ代わりにしてるだけだっ!!」
ソレをエロと言うてめえの発想の方がよっぽどエロだっ!!
しかし、やましい気持ちなど欠片もなくても気に入らないらしく、更に文句は続く。が、
「ルフィを湯たんぽ代わりにすんじゃねぇ!!」
「ほ〜う、マリモくん。
だったら、君が温めてくれるとでも言うのかい?
……寒ぃんだよ!俺はっ!!」
マリモの下らないヤキモチの為に、折角の湯たんぽを手放すつもりは無かった。
俺はこのクソ寒い中、いつもの半袖で平気で過ごすマリモと違って、普通の人間なんだ。
「おぞましいコトぬかすな!!
切られてぇのか!!」
心底嫌そうに言って来やがる。
「お互い様だっ!!
俺だって、てめぇみて〜な筋肉バカより、ちっちゃくてふわふわのルフィの方がよっぽど良いんだよっ!!
邪魔すんな!!」
互いにムカついて仕方が無いって意味では両想いらしい。
こいつと話していると、段々イライラがつのってくる。
「てめえにはどうやら、人間の言葉が通用しないらしいな。」
ルフィを放さない俺にやつの怒りゲージも溜まって行く。
「マリモの言い掛かりを一々相手してやってるじゃねえか。」
気にくわねぇ。
既に、諍いの内容よりも、相手に対する苛立ちの方が、互いに割合が大きくなって来ている様だ。

「……三十六煩悩鳳!!」
「!!」
んのやろ〜っ!!
こっちにはルフィがいるってのに、お構いなしかよっ!!
頭キたっ!!
遠慮の無い飛ぶ斬撃に、俺もキれる。
巻き込まないトコにルフィを降ろすと、邪魔になるコートを脱いで反撃開始。

今日こそは、このあほマリモをぶっ飛ばしてやるっ!!

いつもの如くの乱闘開始。
マリモに対するムカつきで、
寒さなど、もうどうでもよくなっていた。

おまけ。

勿論、そんな中、
船室から出て来たロビンちゃんが、
「あら、楽しそうね。」
などと言って、ルフィを湯たんぽ代わりにしている超羨ましい状態のコトなど知る由も無かった…。

終わる。
(2010・2・17)

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