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  喚んでくれ




それから俺と名前は、気まずい空気もなくいつもの様に別れた。


「…じゃあ、」

「ああ、もう変なことすんなよ」

「……心配性だなぁスクは、お母さんみたい」

「嬉しくねぇ」


俺がそういうと、名前は笑った。
儚げだったが、確かに生きていると示すような表情だった。

だから、

だから気付けなかった。















「スクアーロ!!」

「…っゔぉ」

「大変よ!寝ている場合じゃないわ!!」


再び寝付いた俺だったが、今度はルッスーリアの強烈な登場でまた目覚めさせられた。
思わず殺気が滲む。


「なんだぁ!夜な夜な煩ぇぞぉ!!」

「名前が…!」

「…あ?」






「名前が、死んだのよ…っ」






「…っは?」


こいつは、何を言っている?

さっきまで名前は俺の前で笑ってて、死ぬなって…説得したところなんだぞ。

そこではっと気付いた。



『ああ、もう変なことすんなよ』

『……心配性だなぁスクは、お母さんみたい』



俺の言葉に相槌は打ったが、“死なない”とはちゃんと約束していない―話を逸らされていたのか、俺は。




「…っち!」

「あ、スクアーロ!?」


真夜中を過ぎ、ひんやりとしたローカを俺は全速力で走った。
名前の前には、何人かの野次馬が居た。

それをみて、本当に死んだのか、と冷や汗が頬を伝った。



「名前!!!」



そこには、倒れた名前が居た。

それは眠っていた。

笑っていた。



「…っ、嘘だろぉ…」



近くには、有毒な薬が複数散らばっていた。





俺の言葉は、お前には届かなかったことを表していた。







んでくれ




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