小説 昔話 「むかしむかし、ある所に大仏のようなおじさんと、おじさんの娘さんが一緒に暮らしていました。 お仕事をしに、おじさんは山へ芝を狩りに、娘さんは川へ洗濯をしました。 ある日娘さんが川で洗濯をしていると川の上手から大きなももがドンブラコドンブラコと流れてきました。 これは美味しそうなもも。 晩ごはんのおかずにしようと娘さんは川へと足を運びました。 また娘さんはパワフルな娘であり、ももを両手で掴み持ち上げももを持って帰ることにしました。 おじいさんが仕事から帰って来ました。 大きなももを見ておじさんは大層びっくりなさいました。 おじさんがよく切れる出刃包丁を天に掲げももを半分に切り落としました。 するとももの中には三才ばかりの幼児が眠っているではありませんか。 おじさんと娘さんははっとしました。 それもそのはず。 ももの中で眠っている幼児はおじさんの死んだ息子に似ていたからです。 これは天の恵みだとおじさんと娘さんは喜びました。 この幼児の名を死んだ息子にちなんでヒロトと命名しました。 ヒロトはとてもいい子でおじさんと娘さんの手伝いをよくこなしました。 ヒロトは死んだおじさんの息子のヒロトと照らし合わせてると気づくのですが、おじさんが喜んでくれたら十分で気にしないふりをしました。 ヒロトが十才になると、事件が起こります。 八里離れた所にサッカーを布教する集団が勃発していたのです。 主催者はヒロトと同い年の少年円堂守。 何かにつけて無理矢理サッカー教を押し付けるのです。 サッカーに興味ない人を集めて、主催者の円堂守がゴール前に構え 「ボールを蹴ってみろ!!お前の全部を受け取ってみせる!! さあ、サッカーやろうぜ!!」 とボールを蹴らされます。 なんて迷惑な集団なのだろう。 ヒロトは思いました。 ヒロトはこの迷惑な集団をやめさせようと立ち上がりました。 ヒロトはおじさんと娘さんに円堂守を止めさせるため旅に出ると告げます。 娘さんはヒロトにきびだんごを持たせました。 おじさんと娘さんは、必ず帰っておいでと涙を流してヒロトを見送りました。 ヒロトが三十分ぐらい歩くとヒロトと年の差がかわらない赤い髪の毛の少年が道端で倒れていました。 「ねぇ、こんな道端で倒れてどうしたんだ? お腹すいているの?」 赤い髪の毛の少年は手をぴくり動かしました。 この少年なりの返事です。 そこでヒロトは娘さんが作ってくれたきびだんごを二つあげました。 「ぷはー生き返ったぜ。うめぇだんごサンキュな!」 赤い髪の毛の少年は元気になりました。 「今から俺は円堂守の所に行くんだけど出来れば仲間がほしいんだよ。ついて来てくれるよね。」 赤い髪の毛の少年はそんなの知ったこっちゃないと首を横に振りました。 倒すならお前だけで行けよとヒロトに別れを告げ帰って行きます。 ヒロトは顔を歪め、赤い髪の毛の少年を追いかけました。 そしておじさんがくれたサッカーボールをその赤い髪の毛の少年にシュートを打ち放します。 赤い髪の毛の少年は直撃くらい地べたに倒れこみます。 ヒロトは赤い髪の毛の少年に近づき足で彼の頭を地べたに擦りつけました。 「なら、きびだんご返してよ。高等交換って当たり前だよね。 俺の大事な食糧をありついておきながらどう思ってるんだ?」 「痛いってバカ!!頭いてーよ足をどけろ!!」 「違うな、足を退かせと言うんじゃなくて、ついて行きますって言うのが条理じゃない?」 赤い髪の毛の少年は泣く泣くヒロトの言うとおりついて行くことにしました。こいつは言って聞くような奴じゃないと思ったからです。 ヒロトに頼もしい下僕いや、仲間が入りました。 赤い髪の毛の少年の名前は南雲晴矢といいます。 晴矢はヒロトのことが苦手なようです。 ギスギスした空気の中。 すると道端にほうき頭をしたヒロトと同い年の少年に会いました。 「やあ、君たち。今から円堂守を倒しに行くのかい?」 ほうき頭の少年がヒロトに話しかけます。 「うん、そうだよ。」 「ちょうどいい。私も円堂守を倒しに行くところさ。 良ければ私の下僕、いや仲間になってくれないかい?」 「俺がリーダになってもいいならいいよ。」 ヒロトとほうき頭の少年に歪みが生じました。 ならサッカーで勝負だと決めあっさりヒロトが勝ってしまいます。 「くっ、私が負けるとは不覚なり…。」 「はいはい、俺の下僕、いや仲間になってよね。」 「お前ら下僕っていい間違いにも程々にしろよ。」 そして涼野風介が新たに仲間が加わり、さあ!!円堂守を倒しに出発です! 長い旅も終わりヒロトと晴矢と風介の三人はサッカーを布教する島に着きました。 この巷に入門するには円堂守が直々に検査をしなければなりません。 円堂守が率いる島は不評が高く敵対している者が多く存在し潜伏者かを確かめるためです。 「やあ、お前ら俺円堂守!よろしくな。 お前らサッカー好きか?」 「え、え、え、え円堂くん?」 ヒロトは円堂守を見るや頬を真っ赤に火照らしました。 ヒロトというもも人間は実はホモなのです。 ヒロトは円堂守に一目惚れをしたようです。 円堂守は強豪な厳つい人だと思っていたのですが、会ってみるとなんと可愛らしい少年。 もちもちほっぺに優しいつぶらなお目々。 にかっと太陽に笑う円堂守はヒロトにドストライクなのです。 「俺君とサッカーしたくて…。」 「おい、ヒロト主旨間違えてねぇか?」 「片手にサッカーボールを持ってるしお前もサッカー好きなんだな。 俺もサッカー好きなんだ。 一緒にサッカーやるか?」 ヒロトは目を涙目に溜めてコクりと頷きます。 「あの、それと円堂くん?お願いがあるんだけど。」 「ん?なんだ?」 「君の下僕になりたいな…。」 円堂はきょとんして、そして首を横に振ります。 「サッカーは平等だぞ? サッカー好きならお前は仲間だ!」 「うん!!円堂くうん!!」 風介が違うとズカズカ中に突っかかってきました。 円堂守の前でデレデレしていたヒロトが豹変し風介を流星ブレードを風介に撃ち飛ばしついでに晴矢も撃ち飛ばし島から離れて見えなくなります。 そしてヒロトは円堂守と末長く幸せにサッカーして暮らしましたとさ。 めでたしめでたし。 どう狩屋くん。面白かったかい?」 ヒロトさんは万笑みを浮かべ俺の発言に期待を寄せる。 実の所、何も言えない。 完全に桃太郎のぱくりだ。 ヒロトさんの背後からヒロトさんの秘書である緑川さんが近づく。 ニコニコ笑うヒロトさんを緑川さんがしばきあげる。 ナイス緑川さん。 ヒロトさんから免れる口実ができた。 end [*前へ][次へ#] [戻る] |