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小説
いつか手を汚す1
最近の学生はツイッターとか、SNSを利用して大学入学前から友達を作ってるみたい。僕もそんな学生の一人。
 この春僕はy県立大学の文化創造学科に入る。同じ高校出身の人もいるみたいだけど、やっぱり新しい友達はほしい。y県立大は8割が女子。僕も一応女子大生になるわけだから浮かないためにも「僕」って一人称直さなきゃいけないかな、って思ってるけど習慣ってのはなかなか抜けなくて、ツイッターでよく男の子ですかって聞かれちゃう。
 そんなある日ツイッターで出会った子がいる。原ゆきのちゃん。彼女は栄養学科に入るから大学内での関わりは少ないけれど、きっと仲良くなれる。そんな予感がしてた。だって毎日のように僕のツイートをふぁぼってくれるんだもん。期待してもいいよね?

 彼女はよくツイッターに料理や部屋の画像をアップしてる。部屋はピンクっぽくていかにも女の子って感じ。料理も栄養学科に入るだけあって上手。一度食べてみたいな〜なんて思っていたらある日こんなツイートをしてた。
『カレー作りすぎちゃいました💦味の保証はできないけど誰か食べに来てくれませんか?(#^^#)』
なんとゆきのちゃんの手料理が食べられるらしい。これは行くしかないでしょって速攻リプ送った。
«めっちゃおいしそう! 行きたい!»
そしたらすぐに返信。
«ぜひ! 明日来てください!»
 もうすっごく嬉しかった。新しい友達の家に行けるなんて。それにこんな素敵な子と仲良くなれると思うとわくわくした。
この後しばらくやり取りを続けた。ゆきのちゃんは僕が女だって気づいてないみたい。僕もあえて言わなかった。だってゆきのちゃんが求めてるのはきっと「僕」だから。     
でも、どうせ明日分かっちゃうよね。ゆきのちゃん、怒るかなあ。少しの間でいいからゆきのちゃんと仲良くしたいけど……
そんな不安と少しの期待を抱えて僕はベットに潜り込んだ。




あきゅろす。
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