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She is queen.〜その女、最強につき〜
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「では、Aチーム対Bチームの試合を始めまーす!」

葵の声で、それぞれコートに入り位置につく。
今回は特例ということで、早期決着の為にテニスのタイブレーク制を取り入れることにした。

「跡部と対戦出来るやなんてなかなかあらへんし、おもろいかもなぁ」
「俺様を倒せるとでも思ってんのか、あーん?」

忍足が跡部を軽く睨んで笑った。
跡部は跡部でそれを事もなげに受け止め、不敵に笑い返す。

「手塚、こんな形でキミと戦えるとは思わなかったよ」
「…俺は、負けるつもりはないぞ」

初めから開眼し全力を出すつもりの不二に手塚も冷ややかに返した。

「なんかおもしろそー!俺も頑張っちゃおー」
「やっと起きたんですか?ジロー先輩」
「では、Aチームのサーブからですっ!始めますよー!」

ピピー!と葵がホイッスルを吹いた。
漸く試合開始だ。

「一球入魂!」

鳳の長身から繰り出された弾丸サーブが相手コートを捉え……。

「0―1!サーブ交替しまーす」

……る前にネットに掛かった……。

「あれ?」
「何やってんねん!」
「す、すみません」

Bチームのサーブは越前。

「いくっスよ」

ニヤッと笑ってボールを上げ、サーブを打った…が。

ぱすっ。

「1―1!」
「……」
「「……」」
「…バレーって初めてなんスよね」
「テメェ…早く言えよチビ!」
「越前…」

跡部が睨み、手塚も威圧感を放つ。
何も言わないが、越前は言いたいことは理解した。

「(アレを飲むのは御免だ!)」
「す…すんません…」
「越前は出来るだけボールに触らないようにな」
「っス」

この2ポイント、全くバレーとして成り立っていない。
次のサーブも越前だったが、今度は何とか向こう側に入った。
すかさず黒羽がレシーブ、不二がトスを上げ、忍足が打ち込んだ。

「はっ!」
「跡部!」
「任せろ!…そぅら、踊れ!破滅への輪舞曲だ!」

何気に活躍、首藤から手塚、そして跡部へとボールは繋がれた。跡部が芥川を狙って打ち込んだボールは、芥川の手に当たり自コートに戻って来た。

「…戻ったら意味ないんじゃ…」
「フッ…いいんだよ!」

越前が突っ込んだが、跡部は計算通りと言わんばかりにもう一度飛び上がった。

「成る程、一人時間差だな」

乾が呟いた。

「甘いで跡部!」
「何っ!?」

しかし、跡部が打ち込んだスパイクは、不二の羆落としにより防がれた。

「2―1!Aチームサーブ!」
「チッ…」
「こっちには天才が二人もおるんやで?」
「スパイクは効かないよ」

不二がフッと微笑んだ。

「ほえ〜、中々やるじゃん!」
「最初はどうなるかと思ったけど」

菊丸と大石がそう話し、そして皆が感心しながら見ている。

そしてサーブを打つ不二の構えに皆驚いた。

「いくよ」
「なっ!?アンダーだと!?」
「クス…そのボール、消え」
「…る訳ないだろう!」
「ちぇっ、バレちゃったか」

その後、互いに点を取り合い、5―6でBチームのマッチポイントとなった。
負ければ乾汁が待っている。絶対に譲れない。何としてもデュースに持ち込みたい!

「よし、いくよ…はっ!」

木更津が打ったサーブは、やはり初心者である越前を狙っていた。しかし、その前に手塚が立ちはだかりレシーブ、次いで長身の乾がトスを上げ、跡部が……。

「これで終わりだ!」
「うわっ!」

やはり部長が二人いると強かった。

「5―7でBチームの勝利です!」
「…ふむ、では罰ゲームだな」
「「(ビクッ!!!)」」

それまで静かに試合を見ていた蘭が、呟いた。
ギクリと固まり、ニヤリと笑む乾が、6人分のコップを乗せたトレーを差し出した。
顔面蒼白の一同だったが、覚悟を決め、コップを手にした。
そして。

「「……!!!」」

Aチームは全員、無言でその場に倒れた。

「「(絶対飲みたくない…!!!)」」

残された者達は、賞品欲しさより命欲しさに勝つことを決めた。

「で、ではCチームVSDチームの試合を始めまーす」





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あきゅろす。
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