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She is queen.〜その女、最強につき〜
6―彼女はマイペース



おみくじ騒ぎが落ち着いた頃、蘭が「そろそろ行くか」と楓を促した。

跡部達は神社で蘭達に会えればいいと思っていたために、先の予定は特になかった。

「侑士ー、これからどーする?」
「そやなあ…どないしよ?」

そんな会話を耳にして、蘭は彼らを振り返りいつもの無表情で言った。

「お前ら、どうせこの後予定はないのだろう?私達に付き合え」

有無を言わせぬ命令形に逆らえる者はこの場にはいない。

「ま、仕方ねーから付き合ってやるよ」
「嫌なら結構だ。無理に来る必要はない」
「アーン?嫌とは言ってねぇだろ」
「フッ…楓、行くぞ」
「はーい」

蘭は薄く笑うと改めて楓を促した。



神社を後にした一行は電車に揺られていた。
美少女2人と彼女らを囲むホスト軍団は周囲の視線を集めまくっていた。
ただし、さして気にする彼らではないが。

蘭と楓の目的は都内の遊園地。
晴れ着で遊園地とは不思議だが、蘭のマイペースは今に始まったことではないので特に気にしてはいない。

「着いたぞ」
「着いたって…観覧車?」
「だから何だ」
「あ、待ってお姉ちゃん!」

ポカンと観覧車を見上げる一同をよそに、蘭は楓と共にさっさと列に並んだ。
いまいちよく分からぬまま、彼らも列に加わった。

「で、何で観覧車なのさ?」
「理由がいるのか?」
「いるっていうか、気になるCー」
「乗りたいだけだが、文句があるのか?」
「あらへん!全然あらへん!」

睨んで言う蘭にビクリと固まり、忍足はぶんぶんと首を振った。

そうこうするうちに順番が回り、蘭達は2組に別れて乗ることになった。
楓、鳳、向日、滝、日吉が先に乗り、次のゴンドラに樺地、宍戸、忍足、そして跡部と蘭が乗るはずだったのだが。

「なっ!」
「あー!跡部何してんねん!!」
「お前!」

跡部は乗り込もうとした蘭を引き止め次のゴンドラに押し込んだのだ。

ドアはガチャリと閉じられ、ゴンドラは約10分、密室となる。





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