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She is queen.〜その女、最強につき〜
4―結局そうなる



「ねぇねぇ、おみくじ引こうよ!」
「ええなぁ!」

芥川が言い出し、総勢7人の目立つ団体がゾロゾロと移動していると。

「偶然もここまでくると必然にも思えるな」

流石の蘭も呆れていた。
楓が嬉しそうに出会った2人に駆け寄った。

「日吉くん、滝先輩、明けましておめでとうございます!」
「おめでとう…」
「うん、明けましておめでとう、楓ちゃん」

姉妹を直視出来ず素っ気ない返事をする日吉に対し、滝はにこやかに楓に返事を返し、蘭を見つめた。

「蘭、明けましておめでとう」
「ああ、おめでとう」
「着物すごく似合ってる。綺麗だよ」
「ありがとう」

素直に礼を言う蘭を思わず凝視する忍足達。
蘭はそれを不機嫌そうに睨みで返した。

「何だその顔は」
「素直すぎやないか?」
「明日、雪でも降るんじゃねーの?」

忍足と向日の言葉にさらに睨みを効かせるかと思いきや、蘭は呆れた表情になった。

「馬鹿かお前らは。着飾った姿を褒められれば誰でも嬉しいだろうが」

もっともな意見に誰も言い返せずにいるのを苦笑しながら滝が尋ねる。

「で、何処に行くところだったの?」
「ああ、おみくじや」
「へぇ、じゃあ行こうか」

さらに団体様となった一行は、ようやくおみくじの場所に到着した。

さあ今年最初の運試し、と向日がおみくじを手にしたその時。

神社の入口がざわめいた。

「ん?なんや?」
「なんか女の子がキャーキャー言ってるねー」
「俺、ちょっと予想つくんだけど」
「ああ、俺もだ」

ぼんやりとその光景を眺めていると、程なくしてざわめきの原因が現れた。

「あーやっぱり跡部だCー」
「アーン?何だテメェら、全員揃っ…」

例に漏れず跡部も蘭の晴れ着姿に固まった。
予想通りの反応に一同深く頷き合う。

固まる跡部を不思議そうに見て、フッと笑んだ蘭の言葉で跡部は我に返った。

「ああ、見惚れたか?」
「なっ、誰がお前なんかに見惚れるか!!」
「ほう、私に見惚れたのか?楓じゃなく」
「お前…!」
「ははは!」

悔しそうに顔を歪める跡部を面白そうに見て、蘭は声を上げて笑った。

「お姉ちゃん楽しそう…」
「今年も女帝は健在やなぁ…」
「激ダサだな跡部」
「るせぇ!」

跡部の矛先はレギュラーメンバーへと向かい、忍足や宍戸が被害に遭う中、芥川がのんびりと口を開いた。

「ねーねー、おみくじしよーよー」
「あ、そうでしたね!皆さん、引きましょう!」

そうして楽しそうにおみくじを手に取る楓と芥川に他の者も続いた。





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あきゅろす。
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