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She is queen.〜その女、最強につき〜
3―ダブルスペア2組目と抜目ない彼



参拝を済ませた4人が社殿から離れると、またも目立つ人物と遭遇した。

「あ、忍足先輩と向日先輩だ」
「楓ちゃ〜ん、明けましておめでと…う…蘭…」

笑顔で楓を見つけた忍足は横にいた蘭に目を奪われ言葉を詰まらせた。
蘭はさして気にする様子もなく、2人を見ている。

「何だよ、宍戸、鳳!抜け駆けかよ!」
「はぁ!?」
「ちょ、何言ってるんですか!?」

向日の言葉に慌てる2人を余所に、忍足は楓に尋ねる。

「待ち合わせとったんか?」
「いえ、偶然ここで合ったんですよ。先輩達、参拝はされたんですか?」
「ああ、さっき済ませたわ」

和やかに話す彼らを見ていた蘭の着物の裾がクイと引っ張られた。

「楓ちゃんらはこれからどうするん?」
「特に決まってはないですけど、ねぇお姉ちゃん…って…」
「む?なんだ?」

呼ばれて振り向いた蘭はイチゴ飴をペロリと舐めていた。

「あー、お姉ちゃんズルイ!いつの間に!?」

向日達も気付いて駆け寄る。

「俺も!俺リンゴ飴!」
「自分で買ったのではないぞ」
「は?どういう意味や…て、ジローかい!」
「やほー!やっと気付いたの?みんな鈍いなぁ」

蘭の横でちゃっかり一緒に姫リンゴ飴を舐める芥川がニコニコ笑っていた。

「明けましておめでとー、楓ちゃん!」
「おめでとうございます!フフッ…なんか、いつの間にかみんな集まっちゃってますね」
「お前ら、神社は何処でもあるだろうに、何故わざわざここに来たのだ?」
「……」

彼らは言えなかった。
もしかしたら蘭と楓に会えるかもしれないから来たなどと。
口が裂けても言えな……。

「もしかしたら蘭達に会えるかなーって思って来たんだよー。蘭、めちゃくちゃ綺麗だCー!」
「そうか?ありがとう」

蘭はフッと微笑み芥川の頭をポンポンと撫でた。

「(……侮れない……)」

こういう時の芥川の性格を羨ましいと彼らは思った。





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あきゅろす。
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