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今日も変わらず地球は回る
白い聖夜の贈り物:1



これまでは、冬休みに入ると直ぐにイタリアに行っていたけど、今年は年明けまで日本にいることにした。
ほら、やっぱり好きな人と新年を迎えたいでしょ?
だからお父さん達に無理言って、元旦の飛行機でイタリアに行くことにした。

「ねー、これここでいいー?」
「誰か飲み物運んでー」
「私がやりましょう」
「柳生君ありがとう!」

オードブルをお皿に盛りつけながら、どんどん飾られていく部屋を眺め、ここって自分の部屋だっけ?と思わずにはいられない。

クリスマスイヴにうちでパーティーをしようと言い出したのは海里だった。

「なんで彩音の家なのよ。迷惑でしょ?」
「でも彩音のとこなら広いしー。料理なんかは買っちゃえばさー」
「私なら構わないよ。料理も作ってもいいよ?」
「やったー!アタシ彩音の料理好き!」

両手を上げて喜ぶ海里。その会話を聞き留めたのは……。

「蓬莱の料理食えんの!?俺も!俺も行きたい!」

夏に料理を振る舞ったらいたくツボにヒットしたらしいという丸井君だった。
食べ物のあるところ丸井君あり?

「こら丸井。俺の許可なしで彩音の家には行かせんぜよ?」
「あ」
「…じゃあ、皆で行こうよ」
「精市くん!?」
「幸村…」

ひょっこり現れた精市くんが、事もなげにそう言った。
夏のデジャヴ!?

「ね、楽しそうじゃない?」
「……」
「ね、仁王?」

精市くんは、私じゃなく雅治を見て言った。
引き攣ってるよ、雅治…気の毒に。

「……ハァ、せっかく彩音と二人で…と思っとったのに」
「でも、楽しそうでいいかも」
「彩音まで言うか」


精市くんたちとクリスマスパーティーをするとなって、雪奈が「幸村君達のファンが煩そう」と呟くと、精市くんは即座にニコリと微笑んで。

「俺の幼馴染みの彩音の友達に手を出そうなんて奴、いないよねー」

……と、少し大きめの声で周りを牽制したおかげで大丈夫だった。
皆固まってたのは言うまでもない。
そうして今に至るのである。

「はーい、料理出来たよー」

私は皆に声を掛け、出来た料理を運んだ。
うん、チキンも上手く出来ました。
丸井君が目をきらっきらさせて料理を見てて、早く食べたそうにしてる。

「みんないい?」

精市くんが皆を見回して、ニコリと笑った。

「それじゃあ…メリークリスマス!」
「「メリークリスマス!!」」

パン、パンッ!――と派手にクラッカーの音が部屋に響いて、綺麗な紙吹雪が床に舞い散った。

「いっただっきまーす!!」

余韻に浸る間もなく、丸井君が早速料理に手を付け始めた。
沢山作ったから大丈夫だけど、なんか無くなりそうな勢いだ。

「うめぇー!」
「マジで美味いっス!!やっぱ先輩の料理サイコー!」
「ホントにおいしーい!」
「うむ、美味い」

皆も美味しそうに食べてくれてるし、良かった!
私も食べようっと!

一番心配だったローストチキンは、本当に美味しく出来てた。
頑張った甲斐があったな!



(090909)

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あきゅろす。
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