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今日も変わらず地球は回る
出会えた幸せに感謝を:1



12月に入って直ぐのある日。
学校をピンク色の空気が包み込んでいた。

理由なんて考えなくても分かる。

だって今日は……。

「仁王君、誕生日おめでとう!!」
「これ…貰ってほしいんだけど…」

今日は雅治の誕生日だから。

私の隣の席には、山のように積み上がったプレゼント。
雅治は、私を気に掛けて初めは貰わないようにしてくれていたけれど、移動教室で席を離れた隙に、机の上や中、ロッカーにプレゼントを突っ込まれてしまったのだ。
だからもう断ることなど出来ない。

そんなこと、柳君じゃないけど予め予測済みだし、私は持って来ていた紙袋を二つ、雅治に差し出した。
そんな私に、雅治は怒ったように眉を寄せた。

「お前さん、物分かり良すぎんか?」
「事実は事実として受け取ってるだけだよ。別に物分かりがいい訳じゃない。私が横にいるのにプレゼント渡しに来る女の子にはイラっとしてるんだから!」

せめて私が見てない所で渡して欲しい。

そう思うも、それも難しいことは分かってる。
同じクラスだし、私がいない時なんて限られてる。

恋する女の子の行動力と雅治の人気は凄いと、改めて実感した。

……て、あのさ。

「何してるの?」
「抱きしめとる」

教室なんですが。周りがキャーキャー騒いでて、柳生君が苦笑して溜め息を吐いている。

……今に始まったことじゃないけど…。
慣れてしまった自分もどうかと思うけどね。

ダメだ、好きすぎる。

後ろから、座る私を抱きしめる雅治に頭をこてんと預けると、腕の力が強まった。



「んじゃ、これ全部赤也と丸井んとこにやるか」

うん、多分そう言うと思った。
彼女がいる相手に渡したプレゼントがどうなるかくらい察せるよね、しかも雅治。
それに、他の皆も大量のプレゼントは誰かにあげたりしてる。

テキパキと開封し、袋に分けていく作業は手慣れたもので。
廊下から覗いていた女の子達が、俯いて散っていくのが見えた。

酷い、かもしれない。
でも、迷惑がられるのを承知で渡す相手にも非はあると思う。
雅治は朝からずっと断ってたんだよ。それを無視したんだから。

そう思う私も酷いかもしれないけど。



(090824)

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あきゅろす。
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