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「実ぅ、俺って意地悪だよなー。」

『自覚アリだったんですね。』

「 昌ヒデェっ!! 」

私が制服から着替えて居間に下りてきたときの会話が冒頭のそれだった。




『大体、実に近寄らないでもらえます?
 小さな子には、というか人間に毒なんで。
 (…煙草、何で吸うんだろう。)』


煙草の煙に実が噎せていたので自分の方に抱き上げながら炬燵に入ると同じく炬燵に入っていた成一さんは何故か撃沈していた。


『どうかしました?』

「いや、別にー。」

『何いい年した男が拗ねてるんですか。』

「あ!」


炬燵って温かくて眠くなるのか実が私の膝の上でうつらうつらしだした時

さっきまで撃沈して机とこんにちはしていた成一さんがいきなり起き上がった。


「お前は知ってるか?」


そんな主語もへったくれもない会話に続きを促すため視線だけ向ける。





「お前のパパママが結婚した理由だよ。」

『知りませんが、』



















「春美ちゃんがねー、由加子さん孕ませたからなんだよー。」

















孕ませた。
孕む。
意味は妊娠する。

孕ませたは使役動詞のため妊娠させた。



父さんが私を母さんに妊娠させた。



所謂、できちゃった結婚。







『…あ、そう。』



無表情を保ちながらそう応えるのがやっとだった。





成一さんは私の反応に面白くなさそうにしているが、私は平常心を装うのに精一杯だった。







私は当時の父さんと母さんにとっては重荷でしかなかったのでは、なんて一瞬でも考えてしまった私に嫌気がさした。








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あきゅろす。
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