吸血鬼シリーズ 4 「お、俺様はまだそいつのパートナーじゃない!!!」 俺様がそう叫んだ瞬間、男の手が止まる 「まだ…と言う事は、これからなのですか…?」 男はにやりと笑う 「今はまだ…わからないけど、もしかしたらそうなるかも…」 尻すぼみになりつつ、そう言うと男は楽しそうに笑みを浮かべ 「それはそれは…。大変申し訳ない事をしてしまいましたねぇ。私は面白い方が好きなんですよ」 と言って、あっさりと旦那を自分の足元へ置いた 旦那は恐怖からかその場から動けないようで、男の足元でカタカタと震えたまま立ちすくんでいた 一方俺様は旦那を置いてもらえた事にホッと安堵した 次の瞬間 スパッという音と共に、旦那から血飛沫が舞った 「旦那!!!!!」 俺様は慌てて旦那に駆け寄る すると、旦那の肩から背中にかけて、深い切り傷が出来ていた 俺様は一生懸命血を止めようと自分の着ていた服で傷を圧迫するが、血が止まる気配はない 「すみませんが…待つのはあまり好きではないんですよ。次にお会いする時は…あなた方が成長している事を願っていますよ。それでは…」 男は、俺様達を嘲笑うかのようにそう言うと、自分の顔に付いた返り血をペロリと舌で舐めて、またしてもニヤリと笑うと、その場から居なくなってしまった 「旦那!!しっかりして!!旦那!!」 俺様は泣きそうになるのを必死にこらえ、片手で傷を圧迫しながらある人に電話をかける 数回コールがなった後、繋がると 『Ah?なんだてめぇから電話たぁ珍しい事もあるもんだな。今日は雪か?』 なんて呑気な声を出しながら、ケラケラ笑う政宗が出た しかし、その声が聞こえた瞬間、俺様の瞳からこらえていた涙が零れてしまう 「助けて…。このままじゃ…このままじゃ旦那が…だん…なが……しんじゃうよぉ…」 俺様はボロボロと涙を流しながらそれだけを伝えると、その後の言葉は出ず 静かな公園には俺様の嗚咽だけが響いた [*前へ] [戻る] |