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吸血鬼シリーズ

翌朝俺様が目を覚ますと、隣の小さな布団は空っぽで
どこを探しても蝙蝠が居る気配はなかった

「おーい。みたらし団子だぞー?」

と、あいつの大好物をテーブルに置いても、飛びついてくるはずの蝙蝠の姿がそこに現れることはなかった

「…なんだよ…いきなり…」

昨日まで煩かった部屋が、途端に静けさを戻した
たった数日の事だったはずなのに、なんと賑やかな日々だった事だろう

「まさか…」

そこで、初めて自分が昨日漏らした一言を思い出し、後悔した

寝ていると思ってつい呟いてしまった言葉

『いっそ、こいつが居なくなれば…』

言われたら酷く傷つく一言である事はわかっていたのに…

「お腹が空いたら帰ってくるかな…」

あんなに『いなければ…』と考えていたのに、いざ居なくなるとなんと寂しいことか

独りで生きる事には慣れていたはずなのに…

こんな気分では学校へ行っても授業に身が入らないだろうと思い、その日は休んで近くの甘味屋に足を運んだ

もし、あいつが帰って来たら
真っ先に謝って、美味しい団子を食べさせてやろう
団子なんかで許してもらえるかはわからないけど…
今、俺様が思いつく最善を尽くす!!

そう思い、近くで一番美味しいと言われる甘味屋へ行き
少し値は張るが、美味しい団子を10本ほど購入した

後はあいつの帰りを待つだけ…


しかし、その日の夜
俺様の部屋へ来たのは別の人物だった

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