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吸血鬼シリーズ

「それで…率直で悪いんだけど、こいつらって結局なんなの?」

頼んだコーヒーを一口飲んでから、いきなり本題に入る
理由は、小さい子をあまり夜遅くまで連れまわして補導されるのが面倒なのと、何より、早くこいつらの存在を明らかにしたいからだ

「………吸血鬼だ…と言っても納得しないのだろう?」

しかし、小十郎さんから返ってくるのは俺様の望んだ答えではない

「…だって…吸血鬼なんて非現実的過ぎるでしょ…」

そう答えながら、ちらりと横目で自分の隣で嬉しそうにみたらし団子を頬張る少年を見た

その少年は今、どこからどう見ても人の子だ
蝙蝠になったって、別に襲ってくるわけでもない
吸血鬼なんて恐ろしいものには全く見えないのだ
だから、吸血鬼だと言われて、はいそうですかと納得出来る訳がない

「吸血鬼ってのにも、種族があるらしい」

そんな俺様の考えを読んだかのように、小十郎は吸血鬼について話し始めた

「吸血鬼には人間を餌とする凶暴な原種と、その原種のやり方に異議を唱え、人間と共存を図る為に独立した平穏を望む種の2通りいるらしく、政宗様やその子は後者だから、人は襲わない。ただ、日の光に弱いから、昼間でも不便のないように、人間のパートナーを選んで生涯を共にする事が多いらしいんだ。まぁ、その方法は血の契約なんだが…」

「ちょ、ちょっと待った!!」

俺様は吸血鬼について詳しく知りたい訳じゃない

「結局…こいつらは…」

「吸血鬼だ。you see?」

それまで黙っていた政宗がにやりと笑って小十郎の首を見せてきた
そこには、キスマーク…のような鬱血痕の中に二つの穴があった

「か、噛みついたわけ…?」

ひくりと顔をひきつらせて聞くと、政宗はまたしてもにやりと笑みを浮かべた

そんな俺様達をよそに、幸村はただ黙々と、美味しそうにみたらし団子を頬張っていたのだった

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