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吸血鬼シリーズ

「ほら!!これ着て!!あと…これもね!!」

「うむぅ…。人間というのは面倒くさいものでござるなぁ…。ただでさえこの格好は疲れると言うのに…」

「文句言うと連れて行かないよ?」

「うぅぅ…。佐助は少しの血もわけてくれない癖に…。鬼でござる…」

ぶつぶつ文句を言いながら、俺様の買ってきた子供服を着る少年

もちろん、元は例の蝙蝠だ

数日前、政宗とか言う眼帯した蝙蝠が現れた時、こいつが変身出来る事を知った
しかも、政宗はこの蝙蝠の事を弁とか呼んでたし…
まぁ、本…人?が幸村だと言うなら幸村でいいか…
なんて、こいつについてわからないことばかりだ

でも、そんな思いも今日でおさらば…!!

今日はなんと、あの小十郎さんが俺様達を飯に誘ってくれたのだ!!
小十郎さんならきっと、毎日血を分けろとかわがまま言われたりとか…色々大変なこの気持ちをわかってくれるだろうし
なにしろ、この謎の物体が何かを明らかにしてくれるはずなのだ!!

この蝙蝠曰わく、自分は吸血鬼の王子だー!!とか言ってるけど
吸血鬼なんて非現実的なものがいる訳ない

……まぁ、蝙蝠が喋ったり人型になるのも充分非現実的なんだけどさ…

とにかく!!
小十郎さんにこの物体の正体を明らかにしてもらうんだ!!
と、期待に溢れていた

……………この時は………





「急に悪かったな」

「いやいや!!むしろ、誘ってもらって嬉しいくらいです」

日が落ちた頃、俺様と小十郎さんは店の片隅で待ち合わせた

「本当は家で…と思っていたんだが、少々散らかしてしまってな…。こんな所ですまない…。今日は奢るからなんでも好きなものを食べてくれ。……君もな…」

そう言って、俺様と俺様の隣に座る茶色い髪の少年…幸村に小十郎さんがメニューを渡してくれた

「ありがとうございまする!!」

幸村は、礼儀正しく小十郎さんに礼をすると、メニューを捲り、ウキウキした様子でお目当てのものを探し始める

一方、小十郎の横に座る眼帯の少年は少し不機嫌そうだった

「あの…その子は…」

「政宗様だ」

「………やっぱり…?」

その少年はこの間会った青年だった
だが、なぜかその姿は幼くなっていた

その理由が酷く気になったが、触らぬ神に祟りなし
変なとばっちりでも受けたらたまったもんじゃない
そう思い、聞くのはやめる事にした

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あきゅろす。
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