[携帯モード] [URL送信]

中編小説
真実とは
「おぉ!!佐助!!もう大丈夫なのか?」

「うん。お陰様で。あっ、これ明日洗って返すから」

「気にするな!!某が佐助のものを汚してしまったのだからな」

にっこり笑う旦那はいつも通り
俺様も返す笑顔はいつも通り…のはずだったんだが

急に旦那は真面目な顔になって俺様の顔にズイッと近づいてきて

「佐助…」

なんて真面目な声で言われるから
先ほど政宗に言われた事を思い出し、思わず笑顔が強張った

ついに真実が…

と思った時、いきなり旦那は俺様の頬に指を這わせ、その指を見せてきた

「濡れておる…。まさか…」

嘘っ!?
涙付いてた!?
いつの間にか流れてたのか!?
と慌てて

「あっ、それは…」

と言い訳しようとしたが

「またシャワーを浴びたのか?あまり濡れてばかりいるといくら暖かいからと言っても風邪をひくぞ?」

旦那は呑気な事を言って笑っていた

さすがの俺様もちょっぴりカチンとくる

俺様はこんなに不安なのに
なんでそんなにも呑気でいられるの…?

「旦那…。俺様に…何か隠し事してない?」

ズバッと聞けないのが俺様らしいというか…
やっぱり旦那を信じてるからさ

もし独眼竜の言ってる事がまったくの嘘だった時
旦那を傷つけたくないんだ


そう思って、佐助は幸村をじっと見つめた

真っ直ぐ見てくる佐助に
幸村は一瞬右上へ視線を上げたが、すぐにその目は閉じられ

「隠し事なんて思い浮かばないでござる」

と笑った

佐助は

「そっか。変な事言ってごめんね」

と言って、笑い返した



旦那が嘘を言った
目が右上へいったのが何よりの証拠


なんで旦那は俺様に嘘を言う必要があったの?

俺様と恋仲だったこと…
本当は思い出してるの?

俺様が真剣に追いかけてるの、面白がってたの?

なんで独眼竜は知ってるの?

旦那と独眼竜は組んでたの?

旦那は…
俺様の思いを独眼竜と笑ってたの…?



佐助の中に一気に靄がかかった

[*前へ][次へ#]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!