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中編小説

―――それから数年後…

佐助はあれからも俺に同じ言葉をかけてきた


偽りだと知っている俺には
ただの嫌がらせにしか思えなかった


それから俺は恋をした

唯一佐助という存在を忘れられる

良きライバルにして想い人


伊達 政宗


政宗殿との戦いは楽しく
唯一佐助の事を忘れていられる時間だった


しかし、それも儚い夢だった


政宗殿は片倉殿と想いあっている、もしくは恋人同士の関係であった


それは、いくら鈍い俺でも見ればわかるほどで…

絶対に適わない…

そう悟った


俺に縋るものはなくなった


鍛錬に集中!!!と言っても
いつも
このような時佐助は…とか
佐助ならこうして…とか
毎回一緒に鍛錬していた彼が頭に浮かんでしまう

親方様に殴られても
佐助はそのあと必ず俺の心配をしに寄ってくる

何をしようと
どこにいようと

佐助の事が頭から離れない


嫌だと思うのに…

鬱陶しいと思うのに…


なんで…



「旦那…?」

考え事に耽っていたせいで
うっかり佐助がいたのを忘れていた

「なんだ?」

「大丈夫…?」

「あぁ…」


お願いだから…
もう俺に構わないでくれ…


そう心の中で呟く

しかし、そんな願いは佐助には届かず…

佐助は何故かこっちに手を伸ばしてきた

俺の頬に手が触れるか触れないかの所で
俺はその手をバシッとはたき落とした


「俺に触れるなッ…」



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