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中編小説

「おかえり、旦那」

城に帰れば、いつものように出迎えてくれる佐助

「うむ…」

「ん?どしたの?何かあった?」

毎日一緒にいれば
元気がないことなど一目瞭然であろう

「……何でもないでござる…」

だが、簡単には答えない
否、答えられないと言った方が正しいか…

しかし、佐助はそんな俺の気持ちをまるで見えているのかのごとく言い当てた

「あっ、もしかして独眼竜の旦那と?」

びくりと肩を揺らす
その反応に、佐助は変わらぬ笑顔で言ってくる

「当たりだね?告白でもして振られた?」

「ち、違う!!ただ…」

「あぁ…右目の旦那との仲を見たんだ?」

ズキリと痛む胸
それと同時に、佐助が知っていた事に驚いた

「な、なぜそれを…」

「俺様は旦那に関わる全ての事を知ってるからね。旦那の想い人なら特に…ね」

「………なぜ、そんなこと…」

「俺様は旦那が大好きだから」


ニコニコと微笑む佐助
嘘で固められた…
偽りの笑顔


「……某は嫌いでござる…」


その笑顔も
思わせぶりな態度も
全部全部…


俺にとっては
心の傷でしかないから…


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あきゅろす。
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