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短編小説@
感謝(下)
団子を食べ終わると
旦那はお土産用にと袋いっぱいの団子を買った

それから周りの甘味所をはしごして

「佐助も食べてみよ!!」

と差し出された
流石に何軒もの甘味を食べていると、少ししょっぱいものが欲しくもなるが
旦那があまりにも楽しそうに言うものだから
仕方なく口に運ぶ

口に入れて広がる甘さに

「美味しいね」

って笑えば
旦那は嬉しそうに

「では、これもお土産にしよう!!」

と笑った
そんな旦那が可愛くて、ちょっと抱き締めたくなった
けど、人気の多い場所なので我慢我慢…


「そろそろ帰ろうか?お土産もいっぱい買ったし、もう日も暮れてきたし…」

袋をいっぱい持っているのに
まだ何か買おうとする旦那に声をかけると

振り向いた旦那からは

「あ、だが…うむ…」

と明らかにいつもの旦那とは思えないほど曖昧な返事が返ってきた

さっきの曇った顔といい、曖昧な返事といい…
『帰る』っていう単語をだした途端おかしな旦那
流石の俺様も今度ばっかりは気にしちゃいますよ?


「旦那、何かあったの?」

「えっ…べ、別に何も…」

「さっきから明らかに様子がおかしいよね?もしかして帰りたくないの?戦が嫌になっちゃった?」

「そ、そのようなことはッ…」

「じゃあ、何?俺様に言えない事なの?」

「い、いや…」

やっぱりハッキリしない旦那
いったいどうしちゃったの?

「何か悩み事…?力になれるかわからないけど…俺様に言ってくれない?」

旦那の髪を撫でて優しく言ってやる
そしたら、なんだか急に顔を真っ赤にして俯いた

ん?

「ど、どうし…」

「さ、佐助は!!!」

旦那は俺様の言葉を遮って急に大きな声を出す
びっくりしてきょとんとすると
旦那は真っ赤な顔を上げてこっちをまっすぐ見て言った

「佐助は、今日…楽しかったでござるか!?」

「へっ?う、うん…。久しぶりに旦那と2人きりだったし、楽しかった…けど?」

急過ぎて話の展開を飲み込めず、思ったままに言うと
旦那は嬉しそうに

「良かった」

と笑った。
そして、少し恥ずかしそうに

「今日、ここに来たのは…佐助にいつもの感謝を込めてだな…、その…、楽しい1日にしてもらいたくて…」

なんて言われてしまった。

………ヤバい…
こんなの…反則でしょーが!!!

「さ、佐助!?」

人が居るのなんかお構いなしに旦那をギュッと抱き締めると
旦那は俺様の腕から逃れようとした
けど、そんな簡単には離さないよ


だって
俺様…今絶対顔真っ赤だもん!!


「ありがと…旦那。俺様すげー嬉しい…」

旦那の耳元にそっと呟く
旦那は暴れるのを止めて、恐る恐る俺様に腕を回してくれた

「いつもありがとう、佐助。某はお前が大好きだ…」

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